「共謀罪」成立で超警察国家の完成へ ぬるいメディアと野党の問題意識

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福岡・警察官殺人事件の不可解

   このところ警察官の不祥事も止まるところを知らないが、福岡県小郡市で6月6日に起きた母子三人殺しは、単純だが不可解な事件である。

   最初から夫である福岡県警巡査部長の中田充(38)が犯人だと推測されたが、警察は容疑者から事情を聴いただけで、無理心中の可能性があると発表した。

   だが司法解剖の結果、充が容疑者として浮上し、逮捕された。充容疑者は地元の高校を卒業し、福岡大学に進学したが、2年で中退して、福岡県警の臨時採用に応募して警察官になった。

   その後、友人の紹介で会った看護師と結婚する。週刊文春で知人が、「健康的だが気の強い子」だといっている。

   しかし、出世は遅く、10年で5回も引っ越しをしているという。旦那は真面目で、奥さんは勝ち気で、他人の前でも夫をしかりつける。力関係が逆転した夫婦だったそうだ。

   だが、そんな夫婦はどこにもいる。その程度で妻を殺す気になるだろうか。週刊文春によれば、妻がほかの男とカラオケボックスへよく行っていたと報じている。この男性の存在が事件の引き金になったのだろうか。

   県警の元同僚が、充は警察学校の仲間に「『人生やり直せれば、その時はあいつと結婚せんわ』としみじみ話していた」という。

   週刊文春によると、このところ福岡県警では、強制わいせつ、野球賭博などで現役警察官が起訴されたり書類送検されているし、今回の件では当初「無理心中の可能性」などとお粗末ぶりを露呈しているので、8日に開かれた県警会見では警務部長と首席監察官は3分半も報道陣に頭を下げた。だが、その席に樹下尚本部長の姿はなかった。 「説明責任を果たさず逃げ回っている」(県警担当記者)そうだ。お粗末な本部長に浅はかな巡査部長。これでは福岡県民はおちおち寝てられんな。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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