「共謀罪」成立で超警察国家の完成へ ぬるいメディアと野党の問題意識

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NHKが黒塗りしたワケ

   読売新聞が安倍のポチを自ら証明して見せたが、NHKも同罪である。当初、前川の「内部文書はある」発言をスクープしたのはいいが、週刊ポストによると、その文書をテレビで映し出したのに、肝心の「官邸の最高レベル」という文言のところが消されていたのだという。

   これには社内でも「内部文書の価値を無視した報道だ」と批判の声が上がった。NHKの中堅局員が憤懣やるかたない様子で語る。

「文書の所々が黒塗りになっていましたが、文科省の教育課長や内閣府の審議官、参事官などの個人名が黒塗りにされていたのは理解できます。しかし、〈官邸の最高レベル〉の部分は首相の友人が理事長を務める加計学園に対し、官邸側が文科省に認可を迫ったことを窺わせる核心部分です。それがアナウンサーも一切触れずにスルーされた。"これほど内部文書の価値を無視した報道はない"と局内でも議論が起きました」

これは週刊ポストによれば、今年の4月に報道局長になった小池英夫の指示だったといわれているそうだ。

   小池は政治部で長く自民党を担当していた。報道の直前、彼は「こんなものは怪文書と同じだ」といい、その部分を黒塗りして放送するよう指示したそうだ。

   菅官房長官のいい方と同じだ。さらに、以前にも書いたが、前川のインタビューはすでに取り終えているのに、いまだ放送されていない。NHKも読売新聞も、もはやジャーナリズムを名乗るのはやめるべきだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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