犯罪を準備段階から処罰する『共謀罪』の趣旨を含む「改正組織的犯罪処罰法案」が参院本会議で強行採決され15日(2017年6月)午前7時45分過ぎ、投票総数235のうち賛成165、反対70で可決、成立した。
同法案は一般人も捜査の対象になるのかあいまいなうえ、捜査機関が恣意的判断で拡大解釈する恐れも解消されないまま、与党が参院法務委員会での審議を途中で打ち切り、参院本会議で直接採決するという奇策を使って強行突破した。
国会内では14日夜から野党側が、安倍内閣の不信任案を提出したり、野党の女性議員らが集結して廊下をふさぐなどの作戦にでたり徹底抗戦したが、数の力には及ばず、怒号が飛び交うなかでの成立となった。
会期延長避けたかった与党
では、与党が奇策を使ってまで法案成立を企んだ裏に何があるのか?
加計学園の問題だ。「総理のご意向」などと記された文科省の内部文書の再調査結果が15日中にも公表されるが、それをもとに野党から集中攻撃されるのは必至。「共謀罪」法案審議のために会期を延長すれば、野党に攻撃の場所を提供することになり、これは避けたい。都議選への影響を考えると奇策による強行突破の方がましというわけだ。
自民党議員からはこんな声も漏れ伝わってきたという。「こう言っては誤解されるが、やはり数なんだよ」。
では、「奇策中の奇策、疑惑隠し」と批判する野党側の今後の対応について、国会内で取材しているTBS政治部の牧野ルミ記者は「国会の会期は実質、明日16日まで。野党は明日、安倍首相が出席する参院予算委員会の集中審議を求め、与党が応じなければ来週中にも閉会中審議を行うよう求めていくという。
スタジオでは、テリー伊藤が「文科省の義家副大臣が『省内で何か言ったら処分する』と。あれはものすごくひどい話。止むにやまれず職員が声をあげようと思ったら『オマエたち言ったら潰すぞ』と言っている」と憤っていた。