計画段階からの捜査や拘束ができるようにする「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法案がけさ(2017年6月15日)午前7時46分、参議院で強行採決された。ここで自民と公明の与党がとったやり方が異例中の異例、委員会の審議や採決を吹っ飛ばして、中間報告だけですますという「奥の手」を使って本会議で可決してしまった。
司会の加藤浩次「なぜ、ここまで急いだのか」
会期延長せず加計問題の追及振り切る
日本テレビ政治部の青山和弘・官邸キャップがあげたのは、加計学園問題との関係だ。国会の会期は3日後の日曜18日までだから、共謀罪法案の審議をやりきるためには会期を延長しなければならない。すると、それだけ加計学園問題でも野党に追及される時間が増える。「このマイナスを減らそうという判断になった」という。
本会議ではできない細かい質疑をするために委員会があるのに、それを省略した。「これでいいのなら、これからもこれでやろうという声が自民党内にもあがっています」と青山キャップはやり方の異常さと今後への影響を指摘した。
宇野常寛(評論家)「国民はしっかり覚えておこう。こんなやりたい放題ができるのは安倍一強政権だからです。自民党支持者もこの政権で大丈夫か考えてほしい」
坂口孝則(経営コンサルタント)「共謀罪は一般人に関係ないと説明されているが、警察の権力が増強される。これ以降をウオッチしていく必要があります」
加藤「議論はつくされたと思いますか」
青山キャップ「つくされたとは言えません」
加計学園問題などでやましい点を調べられたくないから、早いところ片づけて、しかもそれがもっともっと審議するべき問題法案だったということだ。民主主義のはずの国で、強者の思惑がまかり通っている。