ネット通販に多い「健康食品」や「化粧品」で、安値の「お試し」のつもりで申し込んだら、実は何カ月もの「定期購入」になっていて、高額の請求が来る、というトラブル相談が、女性や高齢者から相次いでいるという。笑っちゃうことに、スタジオにも2人、被害者がいた。
先週(2017年6月)、消費者庁が注意を呼びかけたのは、通販の「お試し」に注意を!だった。「30日間無料」とか「特別料金」とかで「お試し」に誘い込んで、実は長期間の「定期購入契約」だったというやつだ。
4年間で20倍のトラブル相談
この手のトラブル相談は、消費者白書によると、2012年には658件だったものが、16年には1万3129件と、4年間に20倍以上も増えている。被害者は、圧倒的に女性と高齢者だという。
カギは、申し込み画面の一番下、豆粒みたいな文字で、「*4カ月間のご契約がご条件となります」と書いてある。スマホ画面だと、読めないほど小さい。すぐ上には20倍以上の大きな飾り文字で「実質無料」などとあって、注意がそっちへ行く。ここがミソだ。
街で聞いてみても、いるわいるわ。「だまされた」「あれ、なんで引かれてる? と調べたら、更新されてた」「文字が小さいから」「契約の文章が長くて、最後にちょっと注意書き」「初回980円が、次からは5980円」
司会の小倉智昭が「売る側は上手に法に触れないようにしますから、消費者がちゃーんと見ないといろんなことが起きてくるんですよ」と力を込めた。ん? やられたことがあるのか?
ナビゲーターの森本さやかが、「かくいう私も継続契約中でして(みんな大喜び)、2月くらいにポチッと押して、来月が6回目で終わったら解約しようと思ってますが。スタッフに聞いてもぞろぞろいました。サプリメント......」と。
小倉「はじめはサービスとか無料とか、それが条件付きなんでしょう」
森本が引っかかったらしいサプリがサンプル画面に。「お得コース」「300名様限定」「通常価格3780円→初回500円」とある。「これで『今すぐ購入』をポチッとしますね。ところがここに」と指すと、画面の一番下に、まあ小さな文字で「*5カ月のご契約が条件となります」とある。「これで定期購入契約が成立してしまうんです」
と、ニュースデスクの笠井信輔が「おととい、サプリメントの5000円が1000円になるというんで、明日届くんですよ。母親にも勧めて、その小さな文字を確認しないと......なんで一週間前にこの特集をしなかったのか」(大笑い)
森本「今狙われているのは、女性と高齢者で(笑)......3年ほど前から、通販業界が『定期購入』に注目して、企業が増えたこともある」
深澤真紀(コラムニスト)「SNSだから、年齢だとかどういう検索をしたかとか人柄もわかっているから、それに合ったものを勧められちゃう」
笠井「このサプリ購入してから、その広告がいつも出てる」
小倉「毎月美味しいワインが届きます、というのを買ってるんですね。辞める時きちっと言わないと、自動継続になっちゃう」「そうそう」と女性の声あり。あれ、誰だぁ? 小倉がさらに「断ち切る方法がややこしいんだ」
契約を解除しようとしても、電話がつながらない、繋がってみたら会社が変わっていた、などのトラブル。ある人は、「督促状が送られてきて、あなたの個人情報に不利益を及ぼします、みたいな」という。まるで脅迫だ。
法律の専門家によると、どんなに小さな表示でも、書いてあれば詐欺罪には問えない(程度問題だが)。また通販は、クーリングオフ制度の対象外で返品はできない。解約ルールは業者ごとで、中には複雑なものもある。
最後は自分がしっかりすること、となるのだろうが、こんな詐欺まがいの商売が大手を振ってまかり通るというのも、繁栄の証なのだろうか。