四国のほぼ中央にある人口400人の高知県大川村がきのう11日(2017年6月)、村議会を廃止して村民総会(町村総会)の設置を検討すると発表した。議員のなり手が減ったためという。町と村に限っては議会の代わりに有権者全員を一堂に集めて予算や条例を決めることが認められるが、地方の過疎に悩む「日本の縮図だ」という声も上がっている。
離島を除けば日本一、人が少ない村
大川村は「離島を除けば日本一、人が少ない村」ともいわれ、65歳以上が住民の40%を超す。定数6の村議会は平均年齢70・8歳、複数の議員が今期で引退を表明している。79歳の最高齢議員は「若い人にやってもらいたい」と言うが、後継者がなかなかいない。議員報酬は月15万5000円だ。
村民の意見は「皆で集まるのが一番いい」(80代男性)、「村民総会は過半数が集まらないと成立しないから、総会自体が開会は無理」(85歳の元村長)などと分かれている。
アシスタントの宇賀なつみアナが「アナログだけど実際に行われています」と、スイスの村民総会を紹介した。アッペシェルという村で住民約7000人中3000から4000人が広場に集まる。議案は事前に新聞などで発表され、議決は挙手で行う。議長が見た目で賛否を判断し、議長がわからなければ副議長が、それもわからない時に数をかぞえるそうだ。
青木理(ジャーナリスト)「総会は本来なら民主主義の基本ですが、少子高齢化で議会が開けなくなる見本だから中央政界をふくめて考えないといけない。民主主義や議会とは何かを考える機会になる」
司会の羽鳥慎一「大川村だけの問題ではないことをお伝えしました」