中学生棋士の藤井聡太四段(14)の連勝が止まらない。おととい10日(2017年6月)行われた叡王戦段位別予選は、1日で2番という早指しだったが、2番とも勝って、公式戦の連勝記録を25勝とし、歴代単独2位につけた。過去最高は28勝だ。
藤井四段の連勝を追って、取材陣も数が増える。この日午前10時、最初の梶浦宏孝四段(21)との対戦では、カメラが「ちょっと詰めて下さい」という盛況だ。これに勝って24連勝。夜7時からは都成竜馬四段(27)との対戦で、苦しむ相手を平然と押し切って25連勝になった。
藤井四段は、「(記録が)単独2位まで来られたというのは、自分としても信じられない気持ちはある」「まだまだ......遠いと思いますので、まずは一局一局指していきたいと」と、対戦中と同様いたって冷静だ。
しかしこれまでに一度だけ、太ももを叩いて「ミス」を悔しがるシーンがあった。7日の上州YAMADAチャレンジ杯での阪口悟五段との対戦中。負けてもおかしくないミスだったのだが、ここで対戦相手が大きな打ち間違いを犯して、逆転した。終わった途端、2人とも、体をよじって「やってしまった」「助かった」と盤面を確認しあっていた。連勝には運もついている。
司会の小倉智昭「小学生の頃将棋はやりましたけど、プロの方がどれくらい強いのか想像もつかない」
藤井四段はなぜ強いのか。野月浩貴八段が解説した。「藤井さんの活躍で、こういう出演、生中継も増え、グッズの販売とか、将棋連盟は忙しくなってありがたい」という。
藤井四段は史上5人目の中学生プロ棋士。5歳から将棋を始め、9歳で全国小学生倉敷王将戦・低学年の部で優勝。12歳で詰将棋回答選手権で史上最年少優勝・3連勝を達成。14歳2カ月で、史上最年少でプロになった。
そして、歴代の公式戦連勝記録1位の神谷広志五段(1987年)の28勝まで、あと3勝と迫った。しかし、連勝達成の年齢を見ると、神谷五段が26歳。一番若い22連勝(92年)の羽生善治七段でも22歳。14歳はずば抜けて若い。
強さの3つの秘密とは
その強さの秘密を、野月八段は3つ挙げた。1)対局中のミスが非常に少ない 2)考える速度が速い 3)終盤戦の構想力、だという。
野月八段「長い勝負なので、大きいミス、小さいミス、買ったとしてもミスはあるもの。それが平均して少ない」「先を読む速度が速い」
小倉「プロの方は何手先まで読むんですか?」
野月「状況によりますが、1分間で数百は読みます」
ニュースデスクの笠井信輔「藤井さんの考える速度が速いとどうしてわかるんですか」
野月「対局中は分からないんですが、終わった後、感想戦と言ってイチから指し手を進めて話し合うんですが、その時にわかる。質問への対応も速いし、深く読んでるのもわかる」
森本さやかアナ「若さはあるんですか」
野月「若さではなく、藤井さんが速い」
森本「終盤戦の構想力というのは?」
野月「勝負が決した段階、勝ち方には何通りかある。どういう勝ち方がいいか、その判断が優れている」
笠井「頭の中はスーパーコンピューター」
森本「数字遊びの類とか」
梅津弥英子「うちの子もやってる」
小倉「うちの子と一緒にしないで」(笑)
夏野剛(慶應義塾大学大学院特別招聘教授)「強さの秘密の1と2はAIとかコンピューターがそう。でも3番目の構想力は人間なんだよね」
この後さらに、収入がどうとか並べ立てていたが、もうそんなものどうでもいいね。構想力があれば、すべてはついてくる?