日記に「いじめられたくない」と書き残して、2015年11月に茨城県取手市の市立中学三年生、中島菜保子さん(15)が自殺した問題で、取手市議会はきのう5日(2017年6月)、市教育委員会から聞き取り調査を行った。そこで明らかになったのは、肝心な部分がほとんど黒塗りで隠された資料と市教委側の責任逃れともとれる言い訳ばかりだった。
取手市教委は両親が文部科学省に訴えるまで、いじめを重大事態に該当しない、としていた。きのう公開された資料には、死亡の状況や日記の部分はびっしりと黒く塗られ、「重大事態と判断しなくていいか」「意義なし」とのやりとりが最後近くに書かれていた。
教育長は言い訳ばかり
矢作進教育長は「遺族の話を聞きながらやってきた」と述べたが、その両親とは菜保子さんの死亡から半年以上たった2016年5月3日に会うのが初めてだった。面会にも応じていなかった。ヌケヌケと嘘をついたと言われても仕方がない。
矢作教育長は「人生初めての経験で」とも言い訳していたが、だから許されるとでも言うのか。まじめに取り組んだとは到底思えず、きちんと対応する能力も意思も感じられなかった。責任をとって辞める姿勢があるのかないのかもはっきりしない。きのうの市議会を傍聴した母、淳子さんは「心に響かない」と、涙をこらえた。
おまけに、中学校から市教委へ、いじめが重大事態に当たるとの報告がいっていたこともわかった。問題はもっと根深い。
司会の羽鳥慎一「そこが謎ですね。なんでこう(該当しない)となるのか、理解できない」
青木理(ジャーナリスト)「教育委員会はいじめがない方に持っていこうとしていた。保身や事なかれ主義としか考えられない。教育委員はいま名誉職になってしまい、むしろ保身のための装置になっている」
羽鳥「これで納得する人は一人もいないのではないですか」