英国でまたテロが起きた。ロンドン中心部のテムズ川にかかる観光名所でもあるロンドン橋で日本時間のきのう4日(2017年6月)午前6時ごろ、ワゴン車が暴走、歩行者をはねた後、近くの食品街「パラマーケット」で停車した車から降りた男らがナイフで市民や警察官を襲った。7人が死亡、48人がけがを負い、警察は現場で男3人を射殺した。
英国では、3月にロンドンの国会議事堂近くで暴走車による5人死亡のテロ事件、5月にマンチェスターのコンサート会場で爆発物による22人死亡のテロ事件があった。
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メイ首相「イスラム過激主義」示唆
メイ首相は今回の事件と他の二つとは直接関係ないとしながら「イスラム過激主義でつながっている。対策を強化する」と声明を出した。NNNロンドンの亀甲弘行記者によると、警察はロンドン東部の40カ所を家宅捜索し、12人を拘束した。「街全体が非常にショックを受けています」
中東情勢に詳しい宮田律さんは「社会的な敗北感を発散させる背景がある。世界に衝撃を与えるのが目的の一つで、宣伝効果を狙った犯行かもしれない」と話す。
元NHK記者で国際ジャーナリストの手嶋龍一氏は、情報網が完備されたロンドンで連続テロが起きた点を重視する。「なんらかの指令や連絡をとるのなら情報大国のイギリスは的確に対抗できるが、今は犯人が個々に動き、車や刃物というローテクで市民のソフトターゲットを襲うので防ぎようがない」という。メイ首相は全イスラム教徒に網をかけて対抗する方針だが、うまくいくかは難しい。
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手嶋氏は「長期にわたる粘り強い貧困対策が必要なフェーズに入った。それは日本にも言えます」と指摘した。