官房長官の前川氏攻撃のすさまじさ
一方、前川の爆弾証言で安倍や菅は大慌てのようだが、中でも菅の前川攻撃はすさまじいと週刊新潮が報じている。
「彼は異常だよ。とんでもない輩だ。だって、そういうこと(性交渉)を目的に店は客を集めてるんでしょ。そこで小遣いをあげている......。文科事務次官の立場にある人が最もやってはならない行為でしょ」
焦っている証拠だろう。官邸は、スノーデンが暴露したアメリカ国家安全保障局(NSA)のような役割をしている内閣情報調査室と公安警察に前川の活動監視を命じ、親しいマスメディアに書かせるという禁じ手を使ったのである。
週刊現代で公安の内情に詳しい青木理がこう語っている。
「警視庁公安部は、テロ組織や過激派以外にも、日常的に中央省幹部、次官・局長クラス、さらには問題を起こしそうな官僚や重要案件の担当者などの身辺情報を集めています。また、内調は事実上、公安の『官邸出先機関』のようなものです」
週刊新潮は「安倍官邸一強で日本が失ったもの」という巻頭特集の中で、加計学園問題では農林省も内閣府に辟易しているとスクープしている。
なぜなら学部の開設は文科省だが、獣医は農林省が所管している。3月末に内閣府は国会審議のために加計学園問題の経緯をまとめた文書を作成したが、そこに、まだ正式に加計が選定される前の昨年12月8日の時点で、加計だけに獣医学部新設を認めると「文科相・農水相とも調整していた」と記されていたという。
内閣府は、自分たちだけの独断ではなく、農水省もこの問題に「加担」していたと「事実を捻じ曲げようとしたわけである」(週刊新潮)。当然、農水省は内閣府に文書の訂正を要請したが、応じなかった。
次々に出る安倍官邸関与の重要証言だが、自民党内から「おかしい」という声が上がらないのはどうしたことか。その中で唯一、石破茂前地方創成相がこう語る。
「前川さんは記者会見という場で、あれだけ多くのメディアの前で、『行政が歪められた』と発言したわけですから、政府としては『いいえ、歪められておりません。なぜならば、かくかくしかじかで......』と説明すればいいだけの話。きちんとした説明をするのが政府の責任でしょう」
石破は、文書があるだとかないだとか、出会い系バーに行っただとかは、行政が歪められたのかどうかを判断するには何の関係もない。政府は公平公正に行政をやっていると説明することに専念すべきだという。この程度の発言が真っ当に思えてしまうぐらい、安倍政権は腐っているということだ。