車の運転席から見ると、窓の外に上半身むき出しの男が映っている。あたかも車と並走して飛んでいるかのよう。これ、「スーパーマン動画」といって、今ネットで増えているのだという。無論、後部の窓から身を乗り出しただけなのだが、危険極まりない。食うに困らなくなると、人間はバカになるという見本か。
これがネットに投稿されると、たちまち非難が集中した。「何が楽しいんだか。他の人に迷惑だろ」「スーパーマン危険動画とか、日本人は幼稚になったな」。同時に、真似をした動画も続々と現れた。例によって、「バカの連鎖」だ。
その一つが、大阪で撮影されていることがわかった。大阪府警は「岸和田のイレブンスリー(2015年)では、同様の行為で取り締まりもしている」という。岸和田で11月3日に行われる、暴走族のコスプレ騒ぎだが、「スーパーマン動画」も、度が過ぎれば取り締まるという。
番組で検証すると危険性明らか
番組がどのように撮影されたのかを、スタントの専門家を使って検証してみた。車の外、運転手の傍まで顔を出すには、どう考えても、後部の窓を開けて、腰のあたりまで乗り出さないといけない。誰かが後部座席で支えていないと、落ちてしまう。
また運転者も、右側を遮られて、バックミラーも見えない状態になる。対向車から見ると、車の外に人間が一人はみ出した状態だから、こいつぁ危ない。まあ、ぶつかろうと落ちようと死のうと勝手だが、実際にそうなったら、周りは大いに迷惑を被る。
司会の羽鳥慎一「こういうことを一般道路でやっている」
高木美保(女優)「馬鹿者と言っていいと思う」
羽鳥「いいと思いますね」
高木「もし対向車でぶつかってしまったり、落ちた人を引いたりしたら、私も責任を問われる。前方不注意で。あれっと、わき見して、事故を起こせば、わき見運転。大迷惑」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「馬鹿なことはさっさとやめてください」
しかし、これを見て真似をする人も増えているのだという。
玉川「バカの連鎖」
ちなみに、もし接触して死亡事故になると、運転手は過失運転致死傷罪で、7年以下の懲役または100万円以下の罰金。スーパーマンをやってた人物は、重過失致死傷罪で、5年以下の懲役または100万円以下の罰金になる。運転者のほうが重いのだ。バカでも、覚えておいたほうがいい。