毒の場所が分からない雑種フグが大量繁殖!部位の解明すすめば食用の可能性も

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   トラフグより安く、身がふっくらしているので揚げ物に適しているショウサイフグとゴマフグに異変が起きているという。

   この2種類のフグが交じり合って新種の雑種フグが大量に繁殖しているのだが、問題はどこの部位に毒があるかわからないという。研究発表した山口県の水産大学校を大竹真リポーターが取材し伝えた。

   水産大学校の高橋洋准教授によると、「2012年ごろから関東・東北の太平洋沖で種類の分からないフグの捕獲が増加。調査したところ、ショウサイフグとゴマフグが交じり合った雑種と判明した。この雑種フグが55%も占めている海域もあったという。

   もともとゴマフグは日本海に生息していたフグ。高橋淳教授は「考えられるのは、地球の温暖化で海水温が上昇しゴマフグの生息域が北に拡大し、津軽海峡を越えてショウサイフグの生息域である太平洋沖に入り込み雑種フグが増えた」と見ている。

   問題は、この雑種フグのどこの部位に毒があるのかまだ判明されていないこと。フグには、人が摂取すると呼吸困難で死に至ることもある猛毒『テトロドトキシン』がある。ショウサイフグやゴマフグは身や筋肉、オスの精巣は食用も可能だが、皮や肝臓、腸、卵巣には毒があるので食べられない。

二重のチェック体制

   高橋淳教授は「雑種フグは両方の親にもない場所に毒が入っている可能性がゼロではない。どこに毒があるか分からないので流通させないようチェックが必要」という。

   現在そのチェックは東京都の市場衛生検査場によると、まず捕獲した漁師が雑種フグをチェックし廃棄処分にしているほか、仲卸・加工業者のフグ鑑別資格者がさらに確認する二重のチェック体制が撮られている。

   大竹リポーターが山口県の水産加工会社で東北の太平洋沖で捕獲した雑種フグの選別現場を取材した。

   二人のプロが、ショウサイフグやゴマフグ、シマフグ、ヒガンフグ、クサフグなど多種類のフグの特徴を瞬時に見分け、どれにも特徴が当てはまらないフグを雑種フグとして廃棄する作業。二人がこの日、選別したのは1250匹のフグで、雑種フグ2匹が廃棄された。

   大竹リポーターは「水産大学校がこれから雑種フグについて毒のある部位の解明に取り組むようです。解明されれば新たな食用として供される可能性がある」と話していた。

文   モンブラン
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