安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる疑惑が毎日のように噴出する中で、政府自民党が素っ気ない拒絶反応を取り続けている。「新たな事実です」と司会の夏目三久が伝えた前川喜平・前文科省事務次官の証言や、安倍首相が加計学園から報酬を得ていた過去が暴露されても木で鼻をくくったような対応だ。
前川氏はきのう30日(2017年5月)、在職中の昨年9月に和泉洋人・首相補佐官に「総理は自分の口から言えないから私が代わりに言う」と、学部新設の認可を急げと直接要請されていたことを明らかにした。和泉補佐官は「記録に残っていないので確認できない。総理からの指示ではない」と否定した。
これについて記者団に聞かれた菅官房長官は「前川氏が勝手に言っていることにいちいち答える必要はない」と突っぱねた。「勝手に」とはどういうことか、はっきりしない。政府の許可がなければ発言とは認めないとでも主張するのだろうか。
加計学園の役員務めていた安倍首相
安倍首相が加計学園の役員を務め、1年14万円を数年間にわたり受けとっていた問題でも、菅長官は「何かおかしいことでもあるのか」と言ってのけた。
民進党は前川氏の国会証言を求めているが、自民党の竹下亘・国会対策委員長は「必要ない」と拒否。記者に理由を聞かれ「必要ないというのが理由だ」と、理屈にもならない決めつけ方をした。
龍崎孝(元TBS政治部長)「政府自民党の対応は不誠実ではないか。いろいろな疑問がわいてくる」
ていねいに説明できないのか、これではまるで独裁政権の対応と変わらない。議論したら何かまずいのかと批判されてもしかたない。