『脱ゆとり教育』の挙句、中学生が「重すぎる通学カバン」で毎日、悲鳴を上げている。通学カバンとバッグで平均8.6キロの重さ。いったい何が詰まっているのか? 『スッキリ!』が注目した。
番組では、東京近郊の公立中学校の生徒25人を対象に下校時にアンケート調査を行い、持っていた通学カバンやバッグを計ってみた。25人中23人が「荷物が重い」と回答し、カバンとバッグ合わせて計量したところ8キロ~9キロ、なかには17キロという生徒もいた。
何故そんなに重い荷物をもって通学する必要があるのか? 大竹真リポーターが埼玉・草加市立中学校に通う2年生の女子生徒宅を訪れ、聞いてみた。
すると火曜日~金曜日6時間授業だが、5時間授業の月曜日が一番重いという答え。月曜日が最も重いのは、補助教材の多い国、英、社、数、理の5教科が揃っているからという。補助教材だけで全部で18冊。それに各教科書とノート。重さをはかると9キロ、さらに水筒を加えて11キロあった。
補助教材が多い背景は『脱ゆとり教育』にあるという。
『詰め込み教育』が批判されて小中高校は、2002年度からそれまでの教科を3割減にした週5日制の『ゆとり教育』に転換された。
ところが国際学力調査で日本の学力低下傾向が顕在化し、2006年には1位の数学が10位に、科学が2位から6位、読解力が8位から15位に転落してしまった。
補助教材が増えて重く
そこで40年以上実施してこなかった全国学力テストを復活させ、さらに学力向上のために学校で補助教材を使うようにした。2012年度から学習内容も増加され、『脱ゆとり教育』に本格的に転換された。
これが重すぎる通学荷物の背景にある。学校に置いておいてよい物のリストを作っているところもあるが、家での予習復習もあり全部持ち帰りが基本のようだ。
スタジオでは、同じ重さのカバンを用意し、作家の大宮エリーが試しに持ち上げたところ「あっ、もう学校行きません」。司会の加藤浩次も「10キロって相当重いよね~」。
中学生の『脱ゆとり教育』は、まずは体力勝負から始まるようだ。