どこに毒があるか分からない雑種フグが増えている!選別のプロでも見分け難しい

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   今、東京湾はフグ釣りが最盛期。釣り人のお目当ては、ショウサイフグだ。トラフグより安いが、味は悪くない。ところがこのところ増えた雑種のフグがやばい。見た目は変わらないが、毒のある部位が不明。つまり食べられないというのだ。もし雑種がさらに増えたら? 天然フグは食べられなくなる?

 

   山口・下関市にある水産大学校の高橋洋・准教授らが2012年から3年間に、東日本の太平洋沖で水揚げしたフグ252匹を遺伝子検査したところ、半分以上が、ショウサイフグとゴマフグの間に生まれた雑種フグだった。高橋氏は、「これまでと全く違う規模で、交雑が起きている」という。

 

   この雑種フグ、実は重大な問題を抱えている。毒のある部位の特定ができないのだ。高橋氏によると、ショウサイフグとゴマフグは、筋肉と精巣には毒がない。だが、雑種になると、親と同じとは限らないという。もし筋肉に毒があったら? ハイそれまでよ、だ。

 

   おまけに、見たところは親にそっくりなのだ。

 

   ゴマフグは、背中とお腹にトゲがあって、尻ビレは綺麗な黄色かレモン色をしている。ショウサイフグは、尻ビレは真っ白で、背中にもお腹にもトゲがなく、つるつるしている。ところが雑種フグとなると、両方の特徴を持ち合わせていたり、どちらかと極端に似ていたりと、見かけは様々。それを見分けるのは、フグを扱うプロでも難しいのだという。おいおい。

 

   フグを専門に扱う下関の水産加工会社。この日は250キロのフグの種類分けをしていた。「あれっ、と思うやつをより分ける」と工場長。一度避けたものを、再度見て、「最後まであれっ!? と思うようであれば、使えません」という。見た目、手で触った感触など、長年の経験を積んだ職人にしかできない選別だが、その職人が「これ怪しい。どっちかわからない」と言ったら、もうダメだ。この日、何百匹の中から4匹が選り分けられた。

 

   怪しいものは市場に出ることはないが、フグの専門店も「危機感を持っている」という。「ちゃんと見極めてもらっているから、大丈夫だとは思うが、雑種は扱ったことがないので......」。

純粋種消滅したらフグ食べられなくなる

   高橋准教授は、「最悪の場合、交雑が進んで、純粋種が消滅したら、フグが食べられなくなる」という。

 

   司会の羽鳥慎一「プロも見分けがつかない」

 

   石原良純(天気予報士)「どこに毒があるかわからない?」

 

   なぜ雑種が増えたかというと、もともとゴマフグは日本海、ショウサイフグは太平洋と棲みわけていたのが、温暖化による海水温の上昇で、ゴマフグの生息域が津軽海峡を越えて太平洋に広がったからだという。しかも現在はハーフの状態だが、ハーフ同士が交雑するとクォーターになる。高橋氏は、「将来は漁師でも見分けがつかなくなるのでは......」という。

 

   羽鳥「ゴマフグとショウサイフグは、怖くて天然ものは食べられなくなる? 養殖だと体に毒がたまらないんですって。アニサキスじゃないけど、養殖だねとなる」(笑)

 

   住田裕子(弁護士)「今トラフグはほとんど養殖ですよね」

 

   羽鳥「温暖化による」

 

   石原「人間がそうしてしまった」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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