「加計学園」の獣医学部新設にからんで「総理のご意向」とする文書が出た問題で、文部科学省の事務次官だった前川喜平氏がきのう25日(2017年5月)、記者会見して「文書は確実に存在していた」「公正公平であるべき行政がゆがめられた」などと語った。
キャスターの菊川怜「前川氏は1時間半の会見で官邸への強い不信感を何度も強調しました」
苦しい菅官房長官「天下り問題で辞任した人の話」
文書は去年9月から10月にかけて文科省内で作られたと見られ、前川氏は当時の事務方トップだった。学部新設は官邸の最高レベルからの指示という文書の内容を「あったことをなかったことにはできない」「暗黙の共通理解として、まず加計学園ありきと思った」「赤信号を青信号と言われ、その経緯を示す文書で、黒を白にしろと言われたようなもの」とも語った。
首相官邸にとってよほど都合の悪いことがあるのか、はじめ菅官房長官は「文書は出所不明で信ぴょう性がない」と無視しようとした。しかし、前川氏が「見た」と証言すると、前川氏が文部官僚の天下り問題で辞任したことをとり上げて、「世論の厳しい批判にさらされて辞めた人だ」と、だから信用するなと言わんばかりの発言となった。
読売新聞が異例のスキャンダル記事
首相官邸と歩調を合わせるかのように、読売新聞は前川氏が新宿・歌舞伎町の出会い系バーに出入りしていたと報じた。全国紙がこうしたことを記事にするのは極めて異例だ。前川氏は会見で「辞任は自分の意思」「バーはテレビで見たので、女性の実状を知ろうと行った」と話した。政府の意向を忖度した記事ではないかという質問には、「そういう国だとは思いたくない」と答えた。
司会の小倉智昭「前川氏が告白した時期に、読売がドカンと書いてきたのには、あれっと思いましたね。こういう話が出ると泥仕合になりがちですが、安倍さんはきちんと対応すべきですよ。安倍政権が権力を握りすぎていると見られかねないところはありますね」