3年後に迫った東京五輪・パラリンピックの費用負担をめぐって大揉めの状態が続いている。スタジオのコメンテーターからはいつ言おうかと待ち構えていたように「止めちゃえばいいんですよ。はっきり言って...」の声まで飛び出した。
この開催費用の負担問題について丸川珠代・東京五輪・パラリンピック担当相が24日(2017年5月)、東京都、国、大会組織委員会の大筋合意に至ったと、その内容を明らかにした。
開催に伴う総経費は1兆6900億円、負担の内訳は東京都と大会組織委が各6000億円、国が1500億円、東京都以外の関係自治体が400億円となっており、残り3000億円をどこから捻出するのか明らかになっていないが予備費として計上している。
大筋合意したという突然の案に猛反発したのは、400億円を求められることになった関係自治体の首長たち。
丸川担当相は「自治体の皆様の納得できる負担の範囲がおよそ見定まったということ」で決めたようだが、「我々の所には一切その話は来ていません」(黒岩祐治神奈川県知事)、「またかという不愉快な思い。勝手に数字が出てしまうというのは...」(上田清司埼玉県知事)、「急に負担だとか、千葉県にすれば何なんだろうと...」(森田健作千葉県知事)と怒りを噴出させた。
こうした批判を受け東京都、国、大会組織委は今月31日に会議を開き、関係自治体に説明するという。
東京都にも注文つけた丸川担当相
ところが丸川担当相の発言はこれで終わらなかった。今後の話し合いの進め方について触れ、「いろいろ長い間、感情的にしこってきた部分もあるので、都の方からも『ちょっとお待たせをさせました。これから一緒にやりましょう』と言っていただければいいのかなと思います」と注文を付けた。
つまり、名指しこそしなかったが、ゴタゴタしたことについて小池都知事が謝罪すれば丸く収まると言いたかったようだ。
後輩から注文を付けられた小池知事は「よくわかりませんが、これはオールジャパンで進めて行くと...」と、とりあえずは軽くかわしたが、降ってきた火の粉にいずれ報復か?
スタジオでは、評論家の宇野常寛が「止めちまえばいいんじゃないですかね。そもそもオリンピックなんて元を取れるものじゃない。1964年の時も首都高とか東海道新幹線という長期的開発を錦の御旗に利用したんですよ。そうした50年の大計無くして呼んだのが間違い。はっきり言って、やめましょう」と吠えまくった。
止める、止めないの議論はともかく、そもそも福岡市が一番に名乗りを挙げたのを石原都知事(当時)が横恋慕で奪い取ったのが間違いの始まり。その後、東日本大震災に見舞われた段階で止めればよかった。しかも国民の大半が知らぬ間に季節を取り違えたような真夏の開催に決定。今やゴタゴタ続きに嫌気がさしオールジャパンでしらけつつあるように感じる。