3場所連続優勝...と期待された横綱稀勢の里が23日(2017年5月)、ついに4敗になり、休場となった。9日目、10日目と明らかに力がなかった。左腕のテーピングが痛々しい。横綱白鵬が「10日間よくがんばった」と言ったそうだが、その頑張りが、新たな傷にならなければいいのだが......。
相撲ジャーナリストの杉山邦博さんが、「本当によく出てくれたと思います。大阪場所でのケガ、巡業にも出られなかった、稽古もできなかった。やっぱり、関東の人たちに、新横綱を見ていただきたいと、そういう気持ちを感じた」という。
高木美保(女優)は7日目を見たという。「調子が良かった日というが、やはり危なかった」
司会の羽鳥慎一「見に行った人たちも、そう感じながらも、期待していた」
高木「国技館の前に、チケットはないけど『稀勢の里』応援、という人たちがたくさんいた。休場しないで出るだけでも意味は大きかった」
羽鳥「あのケガで出るんだとみんな驚いた。稀勢の里は、15年間で休んだのは1日だけだそうです」
2014年の1月場所の千秋楽、右足親指の怪我だった。本人は「出る」と言ったのを、親方が止めたらしい。
今回相撲協会に出された診断書によると、約1カ月の通院。左胸大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷とある。一般人なら重傷だろう。5月場所は休場となる。本人からの申し出だったという。田子の浦親方は、「ただ出るだけならいいが、横綱は責任があるので決断した」という。
10日目の相手は琴奨菊だった。どんと当たって、わずか2秒で土俵を割った。全く相撲になっていなかった。前日の栃煌山の時も、全然腕が支えてなかった。杉山さんも「やむをえない」と言う。
稀勢の里人気で切符取れず
この場所は、売り出しから30分で完売。15日間関係者さえ切符が取れないという人気だった。
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「先のことを考えて、始めから休むという選択肢はなかった?」
杉山「あったと思います。が、稀勢の里の生真面目な性格と、横綱の務めでしょうね。19年ぶりの日本出身の横綱、前場所の逆転優勝の大感動場面もあって、関東の人に見せたいという強い思いでしょうね」
玉川「これが後を引かなければいいなと」