自爆テロ犯は一匹狼型の近所の若者だった!死者22人の惨事、子ども犠牲に

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   イギリス中部・マンチェスターのイベント会場で起きた爆弾テロは、死者22人、負傷者59人に達した。しかも若者に絶大な人気歌手のコンサート終了時を狙った自爆テロで、犠牲者のなかには8歳の少女も含まれ、重傷者には16歳以下の子どもが少なくとも12人いたという。

   地元警察によると、実行犯は1人。リビア系イギリス人のサルモン・アベディ容疑者(22)で、手製の爆弾による自爆テロで死亡した。またアベディ容疑者を手助けした容疑で兄弟とみられる23歳の男を拘束、別に2人の容疑者の行方を追っているという。

   自爆テロがあったのは、イベント会場のマンチェスターアリーナと隣接するマンチェスター・ビクトリア駅の間の通路で、チケットがなくても誰でも通れるエリア。爆発は、イベント会場で若者に絶大な人気がある米国人歌手、アリアナ・グランデ(23)のコンサートが終了した直後、大勢の観客が会場の外へ出始めた22日(2017年5月)午後10時33分ごろ起きた。

   自爆したアベディ容疑者は、セキュリティーチェックが行われていない会場の外側で、コンサートが終了し観客が大勢出てくるのを待ち構え自爆装置を起動させたのだろう。爆発現場にはボルトなどの金属が散乱しており、手製の爆弾にボルトなどの金属を入れて殺傷能力を高めたとみられている。

   地元警察の発表によると、アベディ容疑者の両親はアフリカ・リビアから移住。アベディ容疑者自身はマンチェスター生まれで、爆発現場からわずか6キロ離れたところに住んでいた。警察では以前からその存在を把握していたが、危険性が高い人物とは見ていなかったという。

多すぎる監視対象

   ゲスト出演した軍事ジャーナリストの黒井文太郎は「状況から考えて、最近のテロ事件で多いローン・ウルフ(一匹狼)型に合致する」という。これはIS(イスラム国)などのテロ組織の呼びかけに感化された単独犯、または少人数でテロを実行するパターン。

   司会の加藤浩次の「防げないものなんですか?」に、黒井は次のような指摘をする。

   「監視対象が多すぎるんです。まだテロの流行期にある。こういう事件があると潜伏している人物が『俺たちもやろうぜ』と触発される。我々から見ると卑劣な犯罪だが、彼らは、テロはある種の熱情で聖なる戦いをしている、テロに命を懸けていると考えている。彼らにとってはいいことをしているという恐ろしさがある」

   監視カメラや盗聴などテロ対策を強化する警察当局と所かまわずエスカレートするテロ実行犯との果てしないイタチごっこはいつまで続くのか? 黒井は「爆弾テロで世界を変えることはできないので、だんだん熱情は冷めてくる。しかし現在はそこまで行っていない。長期的にテロは続くだろう」と見ている。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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