人気アニメ「天空の城ラピュタ」に似ていると注目の「ラピュタの島」が、打ち寄せるゴミで景観が台無し。ボランティアで清掃しても、またすぐ戻ってしまう。「ゴミは元から断たねば」とは言っても、元がでかすぎて......というお話だ。
この島は、和歌山県と大阪府の境から紀伊水道に突き出した岬の先にある友ヶ島。紀伊水道は別名「友ヶ島水道」ともいう。外洋から大阪湾へ入る航路の要衝でもあり、明治以来太平洋戦争の終戦まで、ここに砲台が築かれていた。その廃墟が「ラピュタ」というわけだ。
終戦時に砲台などは爆破され、壁がゆがんではいるが、レンガ積みの弾薬庫の建物や通路の保存状態はかなり良い。これに蔦が絡み生い茂った緑が、長い年月を感じさせ、幻想的な雰囲気を醸し出している。それが「ラピュタの島」と呼ばれる所以で、若者たちに人気の観光スポットになった。
中には、「ラピュタ」の登場人物のコスプレで、写真を撮る人も。2011年には1万6072人だった観光客は、年々増え続けて、16年には6万6649人になった。ただ、悩みがひとつある。大阪湾を還流する潮に乗ってくるゴミだ。ペットボトルやポリタンクなどの家庭ゴミが絶えず流れ着く。
友ヶ島は、4つある島の総称だが、いずれも無人島。自然は豊かで、大阪、神戸へ向かう大型船から地元の漁船まで、行き交う船も目の前だ。そんな「夢のような」光景から現実に引き戻されるのがゴミ。
ゴミといたちごっこ
環境保全活動の団体「グリーンバナー推進協会」は先月(2017年4月)24日、10人のボランティアでゴミの撤去作業をして、1日で約150キロを処分した。「拾っても拾ってもゴミが流れてくる。2カ月もすると元に戻ってしまう。本当に残念」という。
しかもゴミは、強い潮風に吹かれて、島の内陸にまで飛んだり、建物内の通路にまで溜まったりしている。和歌山市や市民団体などが時々清掃活動しているが、いたちごっこだという。
理由はわかっている。大阪湾を時計回りに回る潮の還流が、淀川や大和川から出るゴミを乗せてくるのだ。これが8割。友ヶ島で一番大きい沖ノ島でも、島の北側にだけゴミが打ち寄せられ、この現象を証明している。
司会の羽鳥慎一「いいとこなんでしょ」
宇賀なつみアナ「私も行こうと思って調べたことがある」
グリーンバナー推進協会は10月、ボランティア100人規模の清掃を予定しているという。費用は加太港からのフェリーの往復代2000円。
野上慎平アナ「なぜ10月かというと、ゴミが大阪から40キロ南の友ヶ島へ流れ着くまでに2カ月かかる。一番ゴミが出るのは8月と睨んでのこと。河川へのポイ捨てがなくなれば、友ヶ島もきれいになると」
羽鳥「河川へのポイ捨てなくしましょうよ」
浜田敬子(元アエラ編集長)「こんなことになってるなんてみんな知らない」
宇賀「人がやってることだから、止められる」