イギリス中部マンチェスターのコンサート会場で起きた爆発事件は、きのう23日(2017年5月)までに8歳の少女をふくむ22人が死亡、59人がけがをした。実行犯は地元出身のリビア系イギリス国籍のサルマン・アベディ容疑者(22)で自爆テロだと警察当局が発表、現場に散らばった遺体をつなぎ合わせて判明したという。
司会の夏目三久「なぜ多くの人が集う会場が狙われたのか」
会場は2万1000人収容のヨーロッパ最大の屋内イベント施設。米国の人気歌手アリアナ・グランデさんのコンサートで、満員となった客の多くが若者だった。爆発は出口近くのチケット売り場付近で起き、逃げ出す人々が殺到してパニックになった。現場の床にはボルトやナットが散乱しており、大量殺人を狙った可能性をイギリスメディアは報じている。
もう1人の男も逮捕
警察はアベディ容疑者一人の犯行と見ているが、べつに23歳の男1人を事件の関係で逮捕した。IS(イスラム国)は犯行声明を出した。全容はまだ捜査中だ。
高橋和男・放送大学教授は「出口は警備が緩い。ティーンエージャーが多いことはわかっていたはずで、だれでも狙う決意を示したのだろう」と推測する。
マンチェスターから豊島歩記者が「当局は3カ所を家宅捜索しました。アベディ容疑者の自宅では重装備の警官がドアを爆破しました」と報告した。メイ首相は治安警戒度を、軍隊も投入できる最高レベルに引き上げた。
日本では、外務省が5月27日から6月24日までのイスラム教のラマダン(断食月)に警戒を促し、集団礼拝が行われる金曜日は特に気をつけるようにホームページで呼びかけている。
鎌田靖(元NHK社会部記者)「日本もけっして他人事ではないことはおさえておきたい」