「売られたら買います。徹底的にやりますよ、最高裁まで...」。こう激しく言い立てるのは美容外科『高須クリニック』の高須克弥院長(72)。怒りの矛先は、国会で不用意な発言をした民進党議員でさっそく名誉棄損で東京地裁に提訴した。
スタジオのコメンテーター全員が高須院長の怒りに賛同しているが、国会での発言で議員が提訴されるのは珍しい。さて、その行方は?
発端は、今月(2017年5月)17日に開かれた衆院の厚生労働委員会。民進党の大西健介議員(愛知13区)が、誇大広告や強引に高額な契約を結ぶ悪徳美容外科を糾弾する質問の中で、次のような発言があった。
「派手な広告であったり、強引な勧誘による集客行為が行われやすい傾向があるのではないかと思う。この違反のオンパレードの広告を平気でフリーペーパーに載せているんですよ。
(医療機関は)限定的な事項しか広告することが認められていない。(そこで)医療機関名であったり、連絡先であったりということでありますので、CMも陳腐なものが多い。 皆さまよくご存じのように『イエス!○○』とクリニック名を連呼するだけのCMとかですね...」
高須院長は『イエス!○○クリニック』は高須クリニックのことだとして怒り心頭。その日のうちに自身のツイッターに「明日(18日)、顧問弁護士に連絡しておとしまえを付けます。ただでは済ませません。売られたら買います。僕はアホでバカです。喧嘩は強いです。獅子はネズミ狩るときは全力でやります」と吠えまくった。
早速18日には顧問弁護士と作戦会議を開き、19日には大西議員と民進党の蓮舫代表、さらに国を相手取り、名誉棄損で損害賠償1000万円などを求め東京地裁に提訴した。
大西議員は、悪徳美容外科の陳腐なCMを取り上げ,その例として「皆さまよくご存じの『イエス!○○クリニック』」 と挙げている。大西議員は「具体的なクリニック名は一切出していない」と抗弁しているが、これは通らないだろう。
高須院長が「これでは悪徳美容外科とは全く無関係なのに仲間みたいになっちゃう。名誉を傷つけられ怒りますよ」というのも無理ない。
国会議員に免責特権あるが...
国会での発言について議員が提訴されるのは珍しいケースだ。番組コメンテーターの菊池幸夫弁護士は、「憲法51条(免責特権)で衆参両院内での議員の演説、討論または評決について院外での責任は問われないため。損害賠償請求はできないのではないか」という。
しかし、この難関について高須院長は「顧問弁護士の見解では『その点はクリアーできます』だそうです」と自信たっぷり。
もっとも高須院長がツイッターで怒りをぶちまけ、素早く提訴を行ったことで、相変わらず民進党議員の稚拙さが曝け出されてしまい、事実上、勝負がついた感じだ。