〈帝一の國〉
やりすぎが快感に!はちゃめちゃなイケメン高校生たちの権力闘争が面白い

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   赤羽帝一、高校一年生。将来の夢は、総理大臣になって自分の国を創ること。

   その学園の生徒会長の座を勝ち取った者は、総理大臣への最短ルートを駆け上がることが約束される。昭和の世を牛耳った名門男子校で繰り広げられた権力闘争マンガを、今をときめく若手イケメン俳優が実写化した。

   主演映画の封切りラッシュが続く菅田将暉を主演に、吉田沙保里の推し俳優・志尊淳、少女マンガ実写の最右翼・竹内涼真、スーパーベビーフェイス・千葉雄大が脇を固める。そのほかにも、骨格しっかり濃顔好きには間宮祥太朗、塩顔好きには野村周平と、タイプの違う若手イケメン俳優がここぞとばかりに揃い踏み。主要キャストを並べるだけで、チャリンチャリーンと音が聞こえる。

   さて、肝心の内容はというと、振り切り方が小気味好い、しっちゃかめっちゃかコメディーに仕上がっている。根回し手回しで互いの足を引っ張り合い、学校の自治を奪い合うという内容にふさわしく、派閥政治のねっとり感を「や、やりすぎ」なギャグタッチで描いていく。

  • (C)2017フジテレビジョン 集英社 東宝
(C)古屋兎丸/集英社
    (C)2017フジテレビジョン 集英社 東宝 (C)古屋兎丸/集英社
  • (C)2017フジテレビジョン 集英社 東宝
(C)古屋兎丸/集英社

イっちゃってる主演・菅田将暉

   中でも、思い込んだら一直線で、勝つために手段は選ばないとのたまう主人公・赤羽(菅田)の「イっちゃってる」感はお見事。白目は剥くわ、靴は舐めるわ、手のひら返しからの土下座など、少年マンガのやりすぎ感を真剣に再現することで、笑いに昇華させている。

   「ガラスの仮面」の白眼カットを、実写版で全て本気で再現したら、原作への冒涜と大批判されることだろうけれど、「帝一の國」に関しては、そこをやりきるからこそ、主人公とその周りのトンチキ具合が際立った形だ。

   影の薄いヒロインも、どこまでも卑怯な宿命のライバルも、主人公を慕うBL風味の参謀も、この極端さこそ少年マンガ!というキャラ立ち具合が気持ちいい。全体的にキャストの年齢層は学生ものとしては高めだけれど、そもそもが高校生らしからぬ派閥政治コメディーなので、むしろしっくり来ていた。

   露出度は高いけれど、セクシーのかけらもないふんどしカットなど、サービス精神と馬鹿馬鹿しさの融合具合はもはや確信犯。キャストが美形揃いということもあり、暇つぶしにはもってこいだった。ただし、中味はありません。本作に限っては、中味のなさ、軽さがポイントなので、深い感銘を受けたい方は敬遠されたし。

おススメ度☆☆☆

ばんぶぅ

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