安倍総理の親友が理事長を務める学校法人「加計学園」が、愛媛・今治市で開学を進めている獣医学部の新設認可で、内閣府が文部科学省に「総理のご意向」「最高レベルの話」などと圧力をかけたとする文書が問題になっている。きのう18日(2017年5月)の国会で、文書に名前の出ている当事者たちが質問を受けたが、木で鼻をくくったような答弁だった。
首相官邸スットボケ「本物かどうかもわからない」
義家弘介・文科副大臣は「そもそも文書が本物かどうかわからない。確認できていない。様々な話をしていたことは事実です」と逃げ、萩生田光一・官房副長官は「ここまで詳しいやり取りをした記憶はございません。おかしな言い回しだと思った」ととぼけた。
文書で「やばい話じゃないか、といった」と書かれた斎藤健・農林水産副大臣は「その段階で、『やばい』とか『まずい』とかいったとは思えない」と話した。日時が記載された文書が出てきても、菅官房長官は「出元もわからず、信憑性も定かでないことに変わりはない」と無視しつづけている。
また、愛媛県の中村時広知事が「内閣府から助言があって、国家戦略特区で出したらどうかいうことだった」と話していることから、「紹介したことがあるのか」と聞かれた内閣府の藤原豊・審議官は「そういう示唆をしたことはありません」と、知事の話を否定した。どちらが嘘をついているのか。
さらに奇妙なことがある。昨年9月(2016年)の時点で、獣医学部の新設に名乗りを上げていたのは加計学園と京都産業大学の2校だった。ところが、国家戦略特区諮問会議は「周辺地域に獣医学部があってはいけない」という条件をつけ、関西にはすでに1校あったことから京産大は新設できなくなってしまった。公募に応じたのは加計学園だけとなり設置が認められた。
役人に責任押し付け政治家は逃げ切り
吉永みち子(エッセイスト)「諮問会議がつけた条件は、京産大を外すためでではないかという見方も出てきますよね」
司会の羽鳥慎一「文書の経緯はわかってるんですか」
細川隆三・テレビ朝日政治部デスクは、官邸サイドは文書の出所について目星をつけているという。文科省の元官僚で、天下り問題で処分を受けた逆恨みで文書を作成し、外部に流したというのだ。「もともと問題のあった人で、官邸から目をつけられていた人」(細川)
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「文書の信憑性は?」
細川「ある政府関係者は、文書が嘘だとは言っていないと話しています。でも、国家戦略特区の選定で便宜を図った事実はない。総理は規制を打破するためにスピード感を持ってやれと指示していただけ、と言っています」
吉永「逆恨みだからといって、嘘じゃない」
玉川「これが本物でも問題ないという論理構成できちゃってるから、出してくるんじゃないかな」
羽鳥「本物だと?」
細川「ポイントの『総理の意向』は否定しています」
それじゃあ、また忖度だ。