オレンジ色の炎を噴き出してまっすぐに上がる新型ミサイルの発射映像を、北朝鮮がきのう15日(2017年5月)公開した。朝鮮中央テレビには、いつもの中年女性アナが絶賛する中で、さまざまな角度から撮った画像が何度も流れた。
司会の夏目三久「映像から見えた新たな脅威とは?」
新型ミサイルは高度2111・5キロに達し、787キロ飛んで日本海に着水した。米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に近づいたといわれる。
マッハ15だと迎撃むずかしい
軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんは「エンジンがパワーアップした。3月に実験した新型エンジンだとすれば、わずか2カ月で実戦配備した」と指摘する。上空からの落下速度も脅威で、マッハ15から18あると迎撃はむずかしい。ICBMとなるとマッハ20を超え、「例がないので、撃ち落とせるかどうかなんともいえない」という。
中国が主導する「一帯一路」の国際会議の最中に発射され、習近平主席のメンツは丸つぶれだ。ロシアのプーチン大統領は、核保有国が増えることには反対としながら「米国は対話に戻り、威嚇をやめるべきだ」と思惑のコメント。米国のヘイリー国連大使は「北朝鮮の金正恩委員長は妄想に取りつかれている」として、圧力をかけ続ける必要を強調している。
鎌田靖(元NHK記者)「金委員長は軍や国民の不満が自分に向くことを恐れて、偉大な指導者のイメージを常に作り続けなければならないと、韓国政府関係者は言っています」
金委員長は国内事情から各国のメンツどころではないということらしい。独裁維持のためにミサイル発射を繰り返すとは、とんだ妄想だ。対話をすればさらに図に乗る、対話をしなくてもミサイル開発につき進む。日本として、迎撃は無理だとあきらめるわけにはいかない。