フランス史上最年少のマクロン大統領(39)の就任式が14日(2017年5月)、パリのエリゼ宮(大統領府)で行われた。番組がトップの話題として注目したのがファーストレディーとなった25歳年上のブリジット夫人(64)の存在。コメンテーターも「フランスの動向はこの人にかかっている」と持ち上げた。
2人が出会ったのは25年前。マクロン少年が15歳の高校生、少年が通う高校の国語教諭のブリジット夫人は40歳だった。当時ブリジット夫人は夫との間に3人の子どもがおり、長男はマクロン少年より2歳年上の17歳、長女は15歳でマクロン少年とクラスメートだった。
演劇部の顧問をしていたブリジット夫人は、入部してきたマクロン少年と一緒に演劇部の脚本づくりをしているうちに恋愛関係に発展したという。
当然マクロン少年の両親はこの恋愛に大反対で、少年はパリから150キロ離れた高校に転校させられた。これが逆に2人を燃え上がらせる結果になったのか、別れ際マクロン少年は「何があっても僕はあなたと結婚する」と誓ったという。
少年期の純粋で一途な思いとそれを受容する母性愛。その後も2人の交際は続き、2006年ブリジット夫人は夫と離婚し、翌年2人は結婚した。しかしフランスでは非難の声はあまりないという。
青山学院グローバル国際関係研究所の羽場久美子所長は「フランスは自由恋愛の国。個人が好きな形で恋愛することに社会が何か言うことはない。むしろ一途さが評価され女性票が集まったことは事実ではないか」と見る。
「ルイ・ヴィトン」のスーツ
そこで番組が注目したのは、女性の心が最も出易いブリジット夫人のファッション。就任式の服装はフランス・高級ブランド「ルイ・ヴィトン」製の水色でミリタリー調のスーツで、スカートは膝上丈、生足にピンヒールという若作り。
ファッションジャーナリストの日置千弓氏は「大人の素晴らしいセンスの良さがあらわれている。ミリタリー調で男っぽいディテールを入れながらも、淡いブルーですから明るいパステル色ですよね。誰から見てもおかしくないというものを選ばれた」とベタ褒め。
スタジオでは、司会の加藤浩次が「まあ、スタイルがいいですからね~。御御足がきれいですし...」。フリーアナウンサーの高橋真麻は「25歳も年下と結婚生活をしていると若くいられるんですかね」。元プロテニスプレヤーの杉山愛は「内から出る知的な感じは素敵。17歳からプロポーズをして成熟させた愛の形のフランスらしい」と絶賛。
外交ジャーナリストの手嶋龍一に至っては「先週までヨーロッパにいましたが、連日ブリジットさん一色でした。手塩にかけて自分の夫をフランス大統領にしたということですし、公的役割も果たすと言っているので、フランスの動向はこの人にかかっていると言っていい」。
「甘ったれのマザコンの変形」はちょっと言い過ぎかもしれないが、マクロン大統領に激動のフランスの舵取りを託すには少し心もとない。『婦唱夫髄』になるのかも。