日本に「三権分立」なし!元最高裁長官「司法は行政の一部です」
週刊現代によると、巨象・三菱重工が東芝のようになってきているという。それは、去年、17年3月期には営業利益3500億円を確保するといっていたのに、4月26日、東京証券取引所が運営する情報伝達システム上に三菱をめぐる情報が映し出され、「火力事業の売上高の減少」「商船のコスト悪化」「MRJ(三菱が開発している国産ジェット旅客機)の開発費増加」などの損失イベントが次々に起きているために、営業利益が従来予想を下回る1500億円程度になりそうだという見通しに、衝撃が走ったというのである。
なかでも象徴的なのが、半世紀ぶりの国産旅客機と期待されたMRJが、08年の開発開始から5度も納入延期し、「飛ばないジェット機」と化しているそうだ。大株主の三菱UFJフィナンシャル・グループは、三菱重工の保有株数を大きく減らしてきているともいわれる。
売却できる資産もあり、財務的な余裕もあるが、本業で稼ぐ力が低下している可能性があり、ここ1年が重工にとって収益改善の正念場になると見る向きがある。どこもえらいこっちゃ。
お次も週刊現代。先日、岩瀬達也が裁判官の内幕に迫る連載を始めたと書いたが、2回目は原発の差し止め判決を出した裁判官と、原発再稼働を認めた裁判官がそれぞれどのような人生をたどっているかを追っている。
福島第一原発事故以降、全国の裁判所に提訴された再稼働差し止めの訴訟は35件ある。そのうち住民側が勝訴したのは3件、電力会社側に軍配が上がったのは5件。判決の分かれ目は、福島の事故以後、新たな政府機関として設立された原子力規制委員会の「新規制基準」への裁判官の評価の違いだと岩瀬はいう。
15年4月に、福井地裁の樋口英明裁判長(64)は「新基準は緩やか過ぎて、これに適合しても安全性は確保されない」と高浜原発の運転差し止めの仮処分を認めた。樋口は14年にも大飯原発の運転差し止めを命じている。しかし、樋口はその後、名古屋家裁に飛ばされ、後任の林潤裁判長は「樋口判決」を取り消してしまった。
高浜原発の差し止めの仮処分を決定したのは大津地裁の山本善彦裁判長。だが、二審に相当する抗告審で、大阪高裁の山下郁夫裁判長はあっさりとこれを破棄した。ともに最高裁事務総局にいた経験を持つトップエリートである。トップエリートということは、上の顔色をうかがって判断を下すヒラメ裁判官だということだ。
第11代最高裁長官で「ミスター司法行政」という異名をとった矢口洪一はこういっている。「三権分立は、立法・司法・行政ではなくて、立法・裁判・行政なんです。司法は行政の一部ということです」
岩瀬は<要するに、裁判部門は独立していても、裁判所を運営する司法行政部門は、『行政の一部』として、政府と一体であらねばならないと言っているのだ>と書いている。とくに安倍一強政権では、立法以外はないといっていい。これが民主主義を謳っている国のあり方だろうか。絶対に違う。早く何とかしようではないか。