山口組「三つ巴抗争」の裏側・・・アサヒ芸能やっぱり読み応え
ところで、山口組が再び分裂した。若手を中心に「任侠団体 山口組」(約60団体が加盟)が結成され、代表には神戸山口組の「秘密兵器」といわれた織田絆誠(よしのり)若頭代行が座った。
週刊現代でノンフィクション作家の溝口敦が彼へのインタビューに成功している。織田は、分裂した神戸山口組が本家を批判していたのは、多額の上納金、出身団体・弘道会へのひいき、人の進言や諫言を聞かないなどだったが、結局、神戸も同じになってしまった。だから新しい集団を組織し、フラットなものにするといっている。
「大きな船のすぐ横に、若手中堅が中心となった救命ボート的な船を置くことによって、二つの船から乗り移ってもらう。今、早急にできることはこれしかないと判断しました」(織田代表)
織田が尊敬するのは山口組三代目・田岡一雄親分だけ。任侠団体とつけたのは、最終目標を「脱反社」だからで、不良外人や半ぐれたちを指導して、アウトローであっても、男らしい生き方を教えてやりたいそうである。
この動きを他はどう見るのか。週刊新潮で六代目山口組の直系組長がこう話す。「山口組としては笑て見てるだけ。世間の方かて笑てますよ。彼らはウチとケンカするなんて全然考えてへん。戻りたい気持ちはあるんやろうけどな」
本家の余裕か。もし「任侠団体 山口組」が戻りたいとなったらどうするのか。「そら、戦国時代と一緒ですよ。裏切っておきながら、自分の身分を保障せいと来るんやったら、誰ぞそこそこのもん殺して、やな、自分はこうですよっていう姿を見せんと」
この組長が憤慨しているのは、新団体の池田真鍋組組長らの背広にプラチナ製の金バッジが輝いていたことだという。「山口組のプラチナの金バッジ、親分からもうたバッジいうんは、そんな簡単なもんやないですよ。血ぃ流し、苦労して、さらに運がなかったらもらえへんのです。あれを掴むためにワシら人生かけてきた。それをあんなやつらが・・・」
たしかに、山口組の金バッジはカネを出したからもらえるものではない。それをそこいらの会員証みたいにばら撒きやがってという怒りは本物だろう。
アサヒ芸能は今週から大滝雄裕編集長から鶴良平編集長に代わった。大滝さん、ご苦労様。ヤクザに強いアサヒ芸能はやはり読みごたえがある。なかでも、元マル暴刑事・門脇浩の「拭いきれない偽装離脱説」が面白い。根拠は、織田代表というのは神戸山口組の井上組長を裏切るような人間ではない。「義理堅い」井上組長一筋できた人間。また、六代目山口組の裏工作があったといわれるが、そんなことで織田代表は動く人間ではない。神戸の別動隊ではないかと必死に情報を集めているという。どちらにしても「任侠団体山口組」の動きは注目である。