なぜ売れてる?『うんこ漢字ドリル』実はみんなあの話が大好き

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   わが家には17歳のモエという老犬がいる。目はだいぶ見えなくなっている。耳はほとんど聞こえない。おまけに認知症がかなり進んでいる。だが食欲だけは衰えない。食事時になると、私の横にベッタリ座って、何かよこせとうるさい。キャベツが好きで、誕生日には丸ごと与えるが、ほとんど残さない。食べていなければ寝ている。

   最近困るのは、足の踏ん張りがきかないから、真後ろにばたりと倒れる。それと同時にうんちを漏らすのである。食事時でも、部屋のあちこちで滑ったり倒れたりする。あちこちにコンモリとうんちの小山ができる。そのたびに食事を中断してふき取るのだ。さほど匂いがしないので助かっているが。

   彼女が、オマエももう少ししたらこうなるのよと教えてくれているのだと思うと愛おしい。まだ長生きしてもらいたいと思う。これはペットロスの歌。

   椅子を見る いつでも不在 肘掛けに 鼻面のせる 犬を欲しけり(佐藤南壬子)

   ところで、ちんぽの次はうんちだそうだ。『うんこ漢字ドリル』(文響社)という小学生向け教材が5刷り84万部だと週刊新潮が報じている。小学校で習う漢字は1006字だそうだ。一つ一つに書き順などの解説文を添えて読み書きを学べるそうだが、すべての例文に「うんこ」の3文字が入っているのだ。例えば、「ぼくは、六月になるまでうんこをしないぞ」「田んぼのどまん中でうんこをひろった」「大学生が、うんこを□小コピーしている」「うんこで前が見えないので、一度車から□りる」

   小学校低学年の男子はおしりとかうんこという言葉が大好き。一方で母親はうんこを忌み嫌うので、子供はますます興味を持つそうだ。教育評論家の尾木直樹は「自分の体から異物が出てくることの意外性に、子供は反応するわけです」。評論家の唐沢俊一によると、フロイトは性的感覚が目覚める2~4歳ぐらいの幼児期を「肛門期」と名付け、排せつ時に味わう快感は大人になって味わうセックスの前兆ととらえたそうだし、『東海道中膝栗毛』の原典にはセックスやスカトロの話が出てくる。これは堅苦しい武家社会に対する庶民の反骨心の表れだそうだ。

   アニメに「うんこさん」、映画にも「東京うんこ」というのがあるそうだ。永六輔はうんこの話が好きだった。こんなものいらないと思っても、1日1回はしゃがまなくてはならない。うんことちんぽ、どちらが・・・いや、やめておこう。今年の出版界はこの二つが引っ張っていくのかもしれない。

舛添乱費の置き土産「20億円クルーザー」都議選を前に頭が痛い小池知事

   最近、やや注目度が落ちてきた小池都知事だが、都議選ではマドンナを大勢立てて、都民ファースト党を第一党にしようと画策していると週刊文春が報じている。だが、希望の塾の塾生から候補者が選ばれると思ったら、「実際には学歴が高く見栄えの良い女性か、他の政党から離脱して選挙に受かりたいだけの人が選ばれていました」と嫌気がさし、小池の宿敵・ドン内田茂の後継として千代田区から出馬する中村彩が言う通り、元女子アナ、東大卒の公認会計士、レゲエ歌手などなどだ。

   小池の党は50議席に迫るが、自民も42議席ぐらいで踏ん張りそうだと、政治部デスクが解説している。しかし、最近の小池には疲れが見え、豊洲移転問題にみられるように、決断ができなくなっている。都議会で第一党の座を得たとして、何をやりたいのかが見えてこない。

   そこへ週刊ポストが小池知事と超豪華クルーザー問題を報じた。クルーザーはVIP接待用で20億円もするというのである。計画されたのは舛添要一知事時代。来客を迎えるのに民間の施設では格が下がると、五輪に合わせて浜離宮庭園に約40億円かけて「延遼館」(明治期の迎賓館)を再建することを決定し、来賓をそこまで送迎するためクルーザー建設計画が持ち上がったという。

   小池知事になってから五輪予算に大ナタが振るわれ、「延遼館」は凍結されたが、クルーザーは計画通りに続行されたというのだ。都政を監視する「行政110番」主催者の後藤雄一元都議は、税金の無駄遣いの典型だと批判する。豊洲や五輪施設については細かいコストまで開示しているのに、このクルーザーに関しては一言も触れないのが不可解だという。この豪華クルーザー建設も都議選のテーマにしたらいい。私はもちろん反対だ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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