増えている「お墓トラブル」悪質詐欺や購入したのに入れない・・・終活に落とし穴

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   高齢者が自分の墓を購入したり葬儀の予約をするなど、終活市場はいまや1兆円規模だ。一方、墓を購入したのに無縁墓地に葬られるケースが相次いでいる。引き取り手のない遺骨を神奈川県が調べたところ、平成18年度は819件だったが、10年後は1381件と1.7倍に増えた。背景にあるのは終活をめぐるさまざまなトラブルだ。墓を購入しても、その後に認知症などを発症して墓の場所が確認できないケースが多発してるのである。

   業者の破たんなどで購入したはずの墓に入れない人も出てきている。悪質なケースもあった。会員の葬儀や納骨をおこなうNPO法人の幹部が会員から預かっていた通帳から1800万円を無断で引き出し車の購入や自宅の修繕に使っていたことが発覚している。自治体が終活トラブル対策に乗り出した。

横須賀市は支援サービス・・・希望聞き埋葬業者に橋渡し

   神奈川・横須賀市役所は行き場のなくなった遺骨を納骨堂(倉庫)に保管しているが、3年もすれば満杯になってしまう。こうした遺骨は無縁墓地に埋葬されるが、供養は一切行わない。担当する福祉部の北見万幸課長は「納骨堂にもって行き、そこから引き出し穴に撒く。そういうことを本当にやってよかったのか。そこが本当に切ないです」と語る。

   そこで、一人暮らしの高齢者の終活支援サービスに取り組んだ。生前に葬儀や墓などの希望を聞き、業者に橋渡しして納骨まで見届ける。すでに200人以上が相談に訪れているという。神奈川県大和市や千葉市でも同様のサービスを7月(2017年)からスタートさせる。

家族や周囲に死後を託せる「縁作り」

   武田真一キャスター「安心して老後を過ごすための終活はどうあるべきでなんでしょうか」」

   第一生命経済研究所の小谷みどり主席研究員はこう解説した。「死んだあと、周りの方に迷惑をかけたくないという方がすごく多いのですが、亡くなった後のことは自分ではできないんです。絶対に周りに方に手間をかけるんです。

   ですから、終活は葬儀や墓の準備をすることだけではないんです。家族や周りの方に必要なことは言っておくことが大事になります。身寄りのない方は自分の死後を安心して託せる人を見つける。私は、終活は『縁作り』ではないかと思っています」

   高齢者も安心して老後を過ごすために、『無縁死』しないよう終活の意味を考え直す必要がありそうだ。

クローズアップ現代+(2017年5月10日放送「相次ぐ"墓トラブル"~死の準備の落とし穴~」)

文   モンブラン
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