今週は今年の中でもベスト3に入る激動の1週間だろう。7日(2017年5月)にはフランスで極右政党党首のルペンを大差で破ってマクロン新大統領が誕生した。10日には韓国で最大野党「共に民主党」の元代表・文在寅が、こちらも大差をつけて新大統領に就任した。
トランプ、FBI長官解任の驚き
さらに衝撃的なニュースがアメリカから飛び込んできた。トランプ大統領が連邦捜査局(FBI)のコミー長官を、本人に知らせもせず突然解任してしまったのだ。理由は、昨年7月にコミー長官がメール問題でクリントン氏を訴追しないと発表したことだというが、それは嘘である。
なぜならコミーは大統領選投票日の11日前に、クリントン有罪の印象を与える電子メールの存在を明かして、クリントン陣営に大打撃を与えているからである。コミーは共和党支持者といわれている。
現在コミーは、選挙中、トランプ陣営とロシア側との水面下の接触疑惑を捜査していて、捜査予算の増額要求をしていたところだった。
トランプはコミーを「指揮する能力がない」「FBIへの国民の信頼を回復できる新たな指導者を見つける必要がある」と述べたという。だが、中立と独立を保証されるべき司直のトップが、大統領の恣意的な理由で突然解雇されたことは、アメリカの信頼を大きく損ねた。
多くのアメリカ人は、こんなバカな指導者に代えて新たな指導者を見つける必要があると真剣に考え始めているはずだ。
だが、日本のメディアだけを見ていると、ここはブータンかニューカレドニアかと思えてくる。今週発売の週刊現代と週刊ポストのトップ記事は「お医者さんに関するあなたの『誤解』」「その『不眠』『早起き』が危ない」。週刊文春でさえ「安倍一強崩し小池マドンナ14人奇襲」である。
ニューズウィーク日本版でコラムニストの河東哲夫が「ミサイルが飛んできてもおかしくないのに、日本の風景は平和そのもので、野党が安倍政権の安保政策を批判するビラ配りをしている」と揶揄している。
政府は、ミサイルが飛んできた場合は「Jアラート」を出し、国民に避難を呼びかけるという。アホか!