北に優しく、日本に厳しくで日韓関係どうなる? 韓国大統領に革新系の文在寅氏

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   昨日9日(2017年5月)行われた韓国の大統領選で、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)氏(64)が圧勝した。韓国の政権は9年ぶりに、保守から革新へと大きく舵が切られた。北朝鮮には太陽政策が、日本には歴史問題などで厳しい対応が予想される。いわゆる「従北」「反日」だが、さて現実にはどうなるか。

   選挙結果は得票率41%と圧倒的だった。文在寅氏1342万票に対して、保守の洪準杓(ホンジュンピョ)氏785万票、一時支持が伸びた中道の安哲秀(アンチョルス)氏は699万票に終わった。投票率も77.2%で、前回より1.4%高かった。分析では、朴クネ前大統領を嫌った20~40代が、圧倒的に文氏支持だったという。

   文氏は昨夜、支持者を前に、「今日が新たな大韓民国の扉を開く日になることを期待する」「明日から、国民みんなの大統領になります。国民だけを見て、正しい道に進みます」と述べた。

   伊豆見元・東京国際大教授は、「前政権は、経済格差の是正とか雇用の拡大がうまくいかなかった。それが、朴大統領弾劾を経て新しい大統領への期待が高まった」という。

   国際政治学者の三浦瑠麗「韓国の若者がなぜ、『従北』と言われる文氏の支持をするのか、から報じてほしい」

   文氏はもともとは盧武鉉・元大統領の側近で、北に対しては宥和政策、日本には厳しい立場をとる。日本では外交関係が最悪となった盧氏時代の再来を懸念する声は強い。

北朝鮮は文政権を歓迎

   北の労働新聞は昨日、「保守一味をしっかり清算することが新たな世の中を引き寄せる近道だ」と、文氏の登場を歓迎している。しかし三浦は「北の危機を韓国の国民がどう見ているか。危機は米が高めた。が、韓国国民がありがたくは思っていない。さらにトランプはTHAADの費用も韓国が払えと言っていて、危機を高めてもらいたくはない」

   玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「ありがた迷惑だという話は聞きます。なるほどなぁと思いますね」

   一方、日本に対して文氏は「対日5大歴史懸案」をあげている。

   1)竹島問題

   2)慰安婦問題では、日本政府の法的責任を問う。15年の日韓合意は無効

   3)徴用工問題。戦犯企業が賠償しなければ、入札制限

   4)日本の教科書問題。歪曲を是正する

   5)文化財問題。対馬から盗んだ仏像を、14世紀に日本人が略奪したものだと、返還を拒否。他のものも返還させるとしている。

   伊豆見氏「原則はそうでも、実際どうなるかは別。原則は変えなくても、日韓関係を紛糾させるのは避けると思う」

   ただ、盧武鉉大統領はかつて、米に対して「日本を米韓共通の仮想敵国に規定しよう」と呼びかけたり、2005年には、日本の国連常任理事国入りについて、「ドイツは支持するが、日本は反対」といったりで、日韓外交は冬のどん底になったことがある。文氏はその再側近だった人だ。

   伊豆見氏「前者は真面目な話ではない。後者は、韓国人なら誰でもそう思っているでしょう」

   羽鳥「玉川さんの言う『刷り込み』があると」

   玉川「教育です」(笑)

   三浦「盧武鉉さんも、革新で当選したが実際は変わった。ひとつは、日本と取引している企業の圧力というのもある」

   伊豆見氏「中国との関係が大きくなって、相対的に日本の重要性は落ちている。とはいえ、現実主義は財界人の中にあると思う」

   今のところは観測。もう少し観測を続けないと、先は見えてこないかもしれない。

文   ヤンヤン
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