森友学園の前理事長籠池泰典氏が、昨日8日(2017年5月)の衆院予算委を傍聴席から見守った。実は民進党が参考人にと申し入れたのを、自民党が拒否した結果だった。おかげで、傍聴中の籠池氏のつぶやきも聞けた。財務省の答弁に「よう、いうわ」「むちゃくちゃやな」
この日の予算委は、民進5人、共産1人が「森友学園問題」に切り込んだ。福島伸享氏(民進)が「(昭恵)夫人に国会で説明するようおっしゃった方がいい」といったのに対し、安倍首相が「誠実に答弁させていただいておりますよ。にもかかわらず、籠池さんに成り代わって、ここで一方的に非難されているのはいかがなものか」と答えると、「めちゃくちゃやな」と籠池氏。
また、財務省は、森友学園が近畿務局に提出した「(土地の)取得等要望書」(約100ページ)を提出したのだが、これが全ページ真っ黒黒の「のり弁」そのもの。
音声記録と本物と認めた理財局長
また、先に籠池氏が公表した田村・国有財産審理室長との会談(昨年3月15日)の音声記録について、佐川宣寿・理財局長は、音声記録を本物と認めはしたが、「発言の詳細については『記憶に残っていない』というのが確認されたところ」と逃げた。「よういうわ」と籠池氏。
籠池氏は結局、野党の質問6人分を、議員食堂での昼食を挟んで計4時間半聞いて、記者には、「重厚的な議論でよかった。特に質問する側がしっかりしてましたね」と言って国会を後にした。
司会の羽鳥慎一「なんで自民党は籠池氏の参考人を拒否したんですかね」
青木理(ジャーナリスト)「この問題を自然消滅させたいんでしょう」
田崎史郎氏(時事通信特別解説委員)「大阪地検特捜部が動いているから、というのが理由」
菅野朋子(弁護士)「三権分立なんだから関係ない」
玉川(テレビ朝日ディレクター)「国会には国政調査権がある」
佐川答弁と資料の「のり弁」状態も槍玉に上がった。
玉川「音声記録を本物と認めながら、中身を覚えていないなんてあるか」
元財務官僚の山口真由氏がこれに、「風当たりが強い時は、キャリアが防波堤になる」と言う。さらに、「田村室長はキャリアではないから(防波堤にはなれない)」と何度も言う。おそるべき階級意識だ。
「のり弁」について田崎氏は「森友学園が民事再生手続きに入っていて、財産は管財人に移った。だから財務省は明らかにできないと言っている」としきりに「代弁」口調。番組のバランス要員らしい。
山口氏は「よくここまで塗ったなと」(笑)
財務省が隠したかった「●●●」
その黒塗りの中に、「●●●設立趣意書」と言うのがあった。玉川は「それを出したくなかったのでは?」と言う。
この「●●●」は、実は「安倍晋三記念小学院」。福島氏は「これで、忖度、特例になったのではないか」と追及する。財務省としてはここだけは隠したかったということ。
青木「一強の首相を、財務省が守ってますよというところを見せたい。一強の弊害が出ている」
山口氏「財務省にとって、長期安定政権は何物にも代えがたい」
田崎氏「官僚は時の首相に従うのは当たり前」
玉川「罪に問われるようだったら、変わってくる」
田崎氏「何の罪に?」
玉川「公文書等毀棄罪がある。元財務官僚や弁護士が今、刑事告発を準備している」
田崎氏「でも、1年以内に破棄という基準の元でやっている」
玉川「まだ分割払いになってるようなものを破棄するのは、法に触れる可能性がある」
福島氏の調査では、8億円値引きの決定までには、近畿財務局の人事がらみの情報もあって、この件の処理判断が高いレベルで行われたことを伺わせてもいる、というのもあった。
と、田崎氏が「福島氏の話は、籠池氏の話が正しいとしたら、という前提。自分で調べた結果ではないから、迫力に欠ける」と、とうとう福島氏まで攻め始めた。
青木「一強なんだから、何もないのだったら、財務省に全部出させればいいこと。与党は横綱相撲を取ってほしい。昨日の首相答弁でも、民進党の支持率を持ち出したりして、感じが悪い」