大相撲夏場所は14日(2017年5月)に初日を迎えるが、3場所連続優勝を目指す横綱稀勢の里のけがの回復状況はどうなのか。きのう8日、二所ノ関一門の連合稽古に参加した。
司会の小倉智昭は「どうやら、仕上がりが芳しくないとの声も上がっています」と心配する。
稀勢の里は3月(2017年)の春場所で優勝したものの左の腕や胸を負傷し、4月の春巡業は休場、5月3日の稽古総見も欠席し、6日からようやく稽古を再開したばかり。きのうは、まず指名したのは自分より50キロも軽い十両の琴恵光。横綱の貫録で8戦全勝した。2人目の前頭6枚目の豪風とは土俵を割ることがあったが、これも6勝2敗だった。
左の腕や胸にテープ巻き直す
ただ、取組の間に先場所にけがをした左の腕や胸に、テープを巻き直す場面もあった。稽古の様子をみていた元横綱の北の富士勝昭氏は「万全とはかなり遠いでしょう。けがをした左を使ってないね」とみる。
稀勢の里本人は「今までは場所前に十両や幕内下位とやることはなかったので、また違うものが得られるような気がする」と話す。けがの状態については「いいと思いますよ、もうだいぶ。稽古場では1日1日充実してやっていますよ」と前向きに語った。
これについて、北の富士氏は「あと3日間でどれだけ、自分で自信を持てるかどうかということではないですか。どうしてもダメなら休もうという手もあるだろうけど」と含みを残した。
大相撲リポーターの横野レイコは「まだ本調子ではないので、当たりの弱い力士と稽古をして調子や感覚を取り戻している。稀勢の里関は慎重な性格なので、きょう9日の稽古で上位の力士と取り組むかどうかがポイントです」とみている。
小倉「まあ、出てくれば、出てくる以上、彼は大丈夫ということなんでしょうね」 出場してくれれば嬉しいが、けがが悪化することにならないよう祈りたい。