東日本を中心にきのう8日(2017年5月)、山火事が多発した。宮城県栗原市では住宅に燃え移り、11棟が全焼、市は付近の117世帯392人に避難指示を出した。岩手県釜石市では大規模な山火事が発生、約100ヘクタールを焼いてけさも消火作業が続いた。
司会の夏目三久「4月、5月に山火事が多いのはなぜなのでしょうか」
栗原市の火事は、午後8時過ぎに鎮火したが、消防車15台からの放水が強風で曲がり、消火を妨げた。現場に駆けつけた住田洋リポーターは「西から東への強風で、火は東側の住宅に燃え広がりました。風上側はほとんど焼けていません」と報告した。けが人はいなかった模様だ。
釜石市の火事はきのう朝、漁に出ていた舟から通報があり「山の形に沿って煙が広がった」という。最大瞬間風速は25.9メートルだった。
福島県会津坂下町でも山火事が発生、3時間後に消し止められた。栃木県那須町では雪崩事故の犠牲者を悼もうと、80代の男性が線香につけようとした火が周辺に燃え移り、鎮火までに2時間半かかった。
人が入る春に山火事
防災システム研究所の山村武彦所長は「自然発火はまれで、ほとんどが人的要因。4月から5月は山に人が入る季節で、強風の日に屋外でのたき火は禁止する必要があります」と話す。
気象予報士の井田寛子によると、きのうの強風は北海道の北にあった低気圧が発達したのが原因という。「春は強風の季節、冬の冷たい空気と夏の暖かい空気が行ったり来たりして、低気圧が発達しやすくなります」
強風はきょういったん収まるそうだが、警戒はあす以降も必要だ。