江ノ島につながる由比ヶ浜など神奈川の湘南海岸で赤潮が発生した。赤潮はいわば海の汚れを表わす現象だが、夜になったらガラリと様相が変わった。夜光虫で青く光る波頭の幻想的なこと。これがテレビとSNSで流れて、由比ヶ浜は大フィーバーとなった。
確認されたのは先週金曜日(2017年5月5日)。上空から見る赤潮は、不気味な筋を連ねて浜辺に迫る。その真っ赤に染まった海でサーフィンをする人たちの姿がテレビで流れたが、「よくまあ、そんなところで......」と言いたくなる光景だった。
赤潮は言わずと知れたプランクトンの大発生だ。水温が高くなる、富栄養化など、起こる条件はいくつもあるが、状況によっては、魚介類を酸欠で死滅させたりもする。湘南海岸ではしばしば発生しているが、今回はちょっと違った。
SNSで画像が拡散
夜の帳が下りてみたら、浜辺に寄せる白波が青く光っていた。夜光虫だが、いつもと違って光が濃い。江ノ島の黒いシルエットをバックに、次々と淡い光が迫ってくる様は、まことに幻想的。しかも、携帯電話でも十分に写る明るさ。というわけで、これが続々とネットに投稿された。
夜光虫、対岸の明かり、星空、流星群......今のカメラは実によく写る。無論テレビも流したが、幻想的な星空とかではデジタル写真の方が効果的だ。好天続きも幸いして(?)か、連休の最後には夜の由比ヶ浜一帯が人で埋まった。
海岸沿いに駐車する車で道路は大渋滞。パトカーが違法駐車を追い立てるが、一向に効果がない。また、江ノ電も満員に近い状態で、「混雑のため遅れが出ています」との張り紙が出る状態だった。
「モーニングショー」は一昨日(6日)早朝、最盛期を迎えるシラス漁の漁船に乗って、潮の状況を見た。鎌倉を出るとたちまち海は真っ赤で、赤潮に突入したが、やがて海の色は普通になった。漁師さんは、「赤潮は表層だけ。網がちょっと沈めば大丈夫」という。確かに、沖合で獲れたシラスは、「異常なし」だった。
しかしその漁師さんも、「赤潮は毎年で珍しくはないが、今年は赤潮が濃い」という。夜光虫もそれだけ「濃い」ということなのかどうか。「モーニングショー」は好感度カメラで撮影していたから特に鮮明だった。ディレクターが、水辺を強く踏みしめたり、水を蹴ったり、手ですくって揺するだけで、水は淡く光った。
光っているのは夜光虫で、直径0.15ミリ~2ミリ。ほとんど透明だが、赤みを帯びているので、集まると昼間は赤く見え、夜になると発光が見えるのだという。
司会の羽鳥慎一「これはすごいね」
宇賀なつみアナ「見てみたいですね」
逗子に住んでいるという石原良純(気象予報士)は「夜こんなに綺麗なんですね。赤潮が夜光虫だなんて、考えたこともなかった」と驚く。
羽鳥「なんで光るのかはわからないらしい」
宇賀「夜光虫と言っても虫ではなくて、プランクトン。光る理由は、専門家も『可能性』として推測しているだけ」
住田裕子(弁護士)「養殖に悪影響とか、悪いイメージしかなかったけど」
羽鳥「今回はSNSでわーっと広まって、じゃあ行ってみようと」
世の中平和なんだね。