<ぶらり途中下車の旅(日本テレビ系)>横浜と渋谷を結ぶみなとみらい線・東横線は日本で一番おしゃれな電車路線かもしれません。沿線のお店やフードも流行の最先端をいきます。駅名も馬車道なんて素敵です。そこから5分も歩くともう港で、90年前に建造された帆船「日本丸」の前にアナウンサーでタレントの小島奈津子さんがいました。
「でも、ここでのお目当てはこれではないんです」
スカイダック横浜に乗ろうというのです。スカイダックはタイヤとスクリューが付いた水陸両用観光バスで、陸と海から横浜港を周遊します。乗り込むとビニールのレインコートが手渡されました。バスはガラス窓が取り払われたオープンなつくりになっているのですが、雨が降ってくるようなお天気ではありません。はて、これはなぜ?
と、横浜開港記念館などを巡ったあと、バスはいよいよ水上へとスロープを滑り降りていきます。ザブ~ン! このとき水しぶきが勢いよく飛び散ります。レインコートはこのためだったのです。びしょぬれになった小島さんは「海から見る横浜港は、陸からとはまったく違って見えます」
停泊中の豪華観光クルーザー「飛鳥Ⅱ」を海上から見上げると、おおきなビルのような威容に圧倒されます。
ただのジャムじゃないよ。コンフィチュールだよ
馬車道通りを歩いていると、ちいさな看板に目が留まりました。「旅するコンフィチュール」とあります。「詳しく知らないんですけど、フランス語でジャムのことじゃなかったかな」(小島さん)
入ってみると、はたしてジャム屋さんで、甘い香りがいっぱいに広がっていました。オーナーの違(ちがい)克美さんが何度もフランスに通っているうちに覚えた味を、ここで手作りしているのです。ジャムといっても、素材をさまざまに組み合わせて複雑な味を作っています。たとえば、イチゴとバルサミコ酢。さっそく試食した小島さんは「さわやかです。いわゆるイチゴジャムというのではなく、バルサミコのコクがじんわりと口の中に広がっていく感じ」
杏とアーモンドのコンフィチュールもお買い上げで、1びん650円でした。
新高島駅で途中下車して、幻の焼きもの眞葛焼のミュージアムにも寄ります。京都の窯元・宮川家の香山が明治になって横浜で始めたもので、花瓶や壺に人、鳥獣、虫などを施し、そのリアルさに世界の陶磁器コレクターは驚嘆し、多くは海外に流出してしまいました。これを回収して展示しているのが眞葛焼ミュージアムです。彩色も鮮やかで、素人目にもアート性の高さがわかります。