熊本地震で道ふさいだ巨大落石を爆破!ネットオークションで落札、破片もオークションに

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   熊本地震で山から転げ落ち、農道を塞いでいた巨大落石が昨日(2017年5月1日)、ダイナマイトで爆破されて、1年ぶりに道が開いた。知恵者の女性が、ネットオークションにかけて、これも被災者の熊本人が落札。爆破に伴う費用はポケットマネーでまかなった。最高のボランティアだ。

   昨日午後1時すぎ、熊本県御船町水越地区の山林に鎮座していた「風神石(かざがみいし)」にハッパが入った。高さ3.7メートル、幅2.3メートルという巨岩は、「ドカン」という轟音とともに、一瞬にして破片の山と化した。飛び散らないように、覆いがかけられたプロの技だった。

   この巨岩は、昨年4月14日の熊本地震で、水越地区の農道を塞いでしまった。山林の中の生活道路だったが、大きすぎてどうにもならない。公道なら行政の仕事になるが、ここは私道だった。以来、人は通れるが、車の通行は止まったまま。

   この地域の活性化協議会の山下洋子さん(69)が昨年12月、この巨岩をヤフーオークションにかけることを思いついた。地元の神様にちなんで「風神石」の名をつけた。「熊本地震の震災復興にご協力ください」「売上金は水越地区活性化協議会にて震災復興に充てさせていただきます」

2400円で落札、撤去費用に120万円

   この時山下さんは、「気付いてくれる方が、1人でも増えればという気持ちだった」と話していた。これに、地元熊本・菊池市に住む2人の会社経営者が応札した。入れた値段が「2400円」。そのまま落札となって、合同で札を入れた古閑勇誠さん(39)と石渕公康さん(38)が話題になった。

   「困っとる、と思った。それだけです」という古閑さんらも地震の被災者だった。一方の山下さんは、「みんなで拍手をしまして、そんな人がいたんだ」と。

   以来、水越地区は注目を集め、フェイズブックのお気に入りの件数は、地域の人口(350人)を超えた。応援の声も集まった。

   しかし、問題は撤去だ。2人ははじめ、クレーンで運び出そうとしたが、クレーンの重さに道路が耐えられないとわかってダメ。そこで、考えた末がダイナマイトでの爆破だった。専門業者が岩に穴を開けてダイナマイトをセットする。費用は約120万円という。

   はじめは3月末の予定だったが、どんどん延びてようやくだった。この日使ったダイナマイトは980グラム。「ドカン」と一発、見守った住民から一斉に拍手が起こった。「風神石」は破片の山となったが、大きいものは数十センチもある。「ありがとうございます」と山下さん。「いい復興ボランティアができました」と古閑さんと石渕さん。

   司会の羽鳥慎一「非常にいいお話です」

   青木理(ジャーナリスト)「困ってますという話も、ちょうど火曜日だった。でも、専門家はすごいですね。本当にバラバラになる」

   で、この破片の一つがスタジオに持ち込まれた。真っ白な石灰岩。キラキラと光るものがある。破片は、復興祈念で建設中の「白衣観音」の結界石として敷き詰めるという。

   羽鳥「驚くほど綺麗」

   菅野朋子(弁護士)「この破片が欲しいという人もいるんじゃないか」

   そう、それでまた、オークションにかけられているのだという。目下、8個が出品中だそうだ。

   青木「ネットのいい面が出た」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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