防衛省「コメントを差し控える」
XKEYSCOREは本当に提供されたのか。NHKの問い合わせに、防衛省は「コメントを差し控える」と沈黙した。慶応大大学院の土屋大洋院教授は「日本の信号解析(SIGINTシギント)は、法的制約もあってネットやデジタルに弱いんです。XKEYSCOREが提供されているというのなら、日米同盟はうまくいっているとも言えます」という。情報収集は必要だというわけだ。
しかし、ジャーナリストの池上彰氏は「為政者はツールを持つと何でも集めたくなるもの。警察のNシステムがいい例です。だから、国民の側から監視するシステムを作らないといけない」と警告する。
プライバシーとセキュリティーのバランスは難しい。土屋教授は「イギリスのようにテロにあった国ではセキュリティーが重視される。一方、ドイツのように政府の行き過ぎに警戒心の強い国もある」という。日本はどうか。政治テロには無縁の国だけに、何かあった時に極端に走るのが怖い。それでなくても、今の政府は走る構えだから。
*クローズアップ現代+(2017年4月27日放送「プライバシーか?セキュリティーか?~スノーデン"日本ファイル"の衝撃~」)