〈ゴースト・イン・ザ・シェル〉
サイボーグ・ヨハンソンの美しい「肉体」の魅力 たけしは貫録のアクション

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   士郎正宗原作のSF漫画『攻殻機動隊』をハリウッドで実写映画化。脳以外全身サイボーグの最強捜査官・少佐役にスカーレット・ヨハンソン。脳をハックする脅威のサイバーテロリストとの戦うエリート捜査組織・公安9課のリーダー荒巻大輔役にビートたけし。監督は「スノー・ホワイト」のルパート・サンダースが担当。以前には押井守監督により劇場版アニメにもなった作品が、待望の実写化映画化された。

   ストーリーは単純で、世界を揺るがすサイバーテロ事件が発生。その捜査にあたったのが公安9課。そこには、脳以外が全身サイボーグの美しき少佐がいた。彼女を演じたスカーレット・ヨハンソンだが、本当に「美しい」の一言に尽きる。「義体」と呼ばれる機械の体を持っている彼女だが、皆から「あなたは美しい、美しい」と言われ続け、同じ「義体」を持つ者から見ても憧れの存在だ。戦えば体を自由に消すことができ、その強さは人間ではもはや歯が立たないほど。一見、完全無欠に見える彼女だが、「義体」を手に入れる以前の記憶は消されてしまっている。過去がないことへの苦悩や、寂しさ。「私の孤独がわかる?」と問う彼女の姿が、わずかに残った人間らしさを感じさせ、余計に美しさと魅力に拍車をかけていた。

   しかしながらスカヨの体はホントに作られたもののように「完璧」で、彼女は人間離れした肉体美の持ち主と改めて思う。それほどまでに、彼女の体をスクリーンで拝みにいくだけでも十分な作品である。

   脇を固める俳優陣のビートたけし、桃井かおりの演技も見ものだ。個人的には、少佐の元の姿である「素子」の母親役を務めた桃井かおりの演技が素晴らしい。亡き娘をひっそりとアパートで待つ彼女の姿が、切なくて優しくて、セリフひとつひとつがなんだか心に染みる。英語のセリフも流暢だ。

   一方たけしはといえば、なぜか9課で一人だけ日本語で話し、周りは英語で返すのに会話が成立している。最初は違和感があるが、だんだんそれにも慣れてきてしまう。物語終盤は「世界のキタノ」ここにありと言わんばかりに、その貫禄を発揮。第9班のリーダーにふさわしく、クライマックスではアクションも披露する。敵に狙われ、容赦なく車の窓から銃で撃たれまくったのに怪我ひとつせず。何事もなかったかのように車から降り、「狐を殺すのに兎を寄こすな」と言って、敵を蹴散らすその姿が様になっていた。

   原作を知らない人も十分楽しめる娯楽作。国境を越え人種を超え、機械も人間も入り混じった未来の世界。そんなSFの世界を堪能できる作品だ。

   TOHOシネマズ六本木ほか全国劇場にて公開

おススメ度☆☆☆

PEKO

 
  • ©MMⅩⅤⅠ Paramount Pictures and Storyteller Distribution Co.Allrights Reserved
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