北朝鮮、核実験思いとどまった背景に中国の圧力か!石油絶たれピョンヤンでガソリン高騰

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   北朝鮮が例年、最も軍事力を誇示する「朝鮮人民軍創設85周年」の25日(2017年4月)、米日韓が懸念していた核実験を行わなかった。その首都・ピョンヤン市内でガソリン価格が70%も急騰しているという。北朝鮮が核実験をしなかったことと関係があるのか?

   番組では、中国の事情に詳しい専門家をゲストに迎え分析した。

   北朝鮮は26日、軍創設85周年の前日に行われた史上最大規模という軍事演習の写真を大量に公開した。海岸に並んだ大量の自走砲から一斉に火が吹く写真で、朝鮮中央テレビは「アメリカの頭上に懲罰の火を注ぎ、悪の巣窟を滅亡させる墓をつくる」と相変わらず勇ましくまくしたてた。

   一方、軍事境界線からわずか25キロしか離れていない韓国・抱川では、北朝鮮のミサイル基地への攻撃を想定した米韓合同軍事演習が行われた。

   ただし、それぞれが軍事力を誇示しただけで、北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射はなく、米軍の先制攻撃もなかった。そんな中で注目されたのはピョンヤン市内のガソリン価格の急騰だ。1週間前まではガソリン購入チケットが90元(約1440円)だったのが現在160元(約2560円)に高騰しているという。

   中国事情に詳しい東京財団の小原凡司研究員(海上自衛隊出身で元中国防衛駐在官)は「水面下で中国が動き、一部石油の輸出を止めたため核実験や弾道ミサイル発射をおこなわなかった可能性がある」と指摘している。

中国の動きにトランプは満足

   それを推測させる根拠として、まずトランプ米大統領の発言が変わっていたことが挙げられるという。

   トランプ大統領は4月11日に「中国が協力しなければ中国抜きに問題を解決する」と強硬発言をしていたのが、20日になって「習近平国家主席は非常に一生懸命取り組んでいる」と急変しており、中国が北朝鮮に対し『軍創設85周年の25日まで動くな』という指示があったのではないかとみる。

   さらに小原研究員は「それを示しているのが25日を過ぎたとたんに、中国はこれまで止めていた北京―平壌間の直行便の運航を来月8日から再開すると表明したこと。また中国メディアが伝えたところによると、核実験を行なえば石油の輸出をストップする圧力をかけ、牽制する狙いで実際に一部輸出をストップ。このため供給制限が行われ価格が高騰したのではないか」という。

   そこで今後の動きだが、小原研究員は「アメリカはアメとムチの現状維持を続けるだろう」と見る。6月にソウル市に滞在するアメリカ国民(20万人以上)を避退させる訓練を実施すると表明しており「アメリカが軍事力行使のハードルを下げながらアメリカの意思を伝えていくことになる」と分析する。

文   モンブラン
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