失言続きの今村雅弘・復興大臣が昨日(2017年4月25日)またやった。二階派の会合で講演した際、「東北でよかった」と口を滑らせた。講演後記者から指摘を受け、発言を撤回、謝罪したが、今朝午前9時半、安倍首相に辞表を提出した。事実上の更迭だ。
発言は、東日本大震災の社会資本の毀損に触れた件で出た。「25兆円ともいわれる。これが首都圏だったら......」と進んだのだが、間に「まだ、東北であったからよかった」と余分な一言を挟んだ。講演後に記者から問われて、慌てて「発言を取り消します」と言ったが間に合わない。
同じ会合に出ていた安部首相も、「今村復興大臣に、東北の方々を傷つける極めて不適切な発言があった。お詫びします」とこの問題に触れ、その後二階俊博幹事長も「辞表やむなし」となって、辞任が決まった。総理の強い意向による、事実上の更迭となった。
今村氏は今月4日の会見でも、福島などの自主避難者について、「自己責任だ」としたことで、記者からしつこく追及されて激昂し、会見場を後にして批判を浴びていた。この時も、一緒に現地視察した安倍首相が、謝罪をする羽目になった。
「東北でよかった」は、おそらく原稿にはなかった。役人がそんなことを書くはずがない。本人が日頃思っていたことが口をついたのだろうが、それだけ本音ということだろう。被災者は怒った。
被災地からは怒りの声
「呆れて物が言えない。6年も仮設で苦しんだ経験のない人に言われたくない」(釜石)、「考えなしの言葉だね」(福島)、「この野郎って感じになった。2回目だもんね」(福島)。内堀雅雄.福島県知事も「復興に努力している県民を深く傷つけるもの。極めて遺憾」とのコメントを出した。
浜田敬子(元アエラ編集長)「これ、2回どころじゃない。福島の農産物への風評被害に、『生産者の努力が足りないんじゃないか』と言ったり、復興が『30km地点にある』と言って、知事に『まだスタートラインに立っているところもある』と言われたり。大臣として被災地の現実、課題を把握すらしてないんじゃないか」
司会の羽鳥慎一「復興大臣ですからね。根底に意識がないのかな」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「東北でよかったと思ってるんでしょう。私も東北人、東北人でこんなこと言う人はいない。復興大臣は被災者に寄り添う立場。仮に財務省と対立したら、被災者を代弁する立場。自己責任発言だってそう。誰のせいでそうなってるのかを考えたら、自己責任なんて言えない」
羽鳥「記者に聞かれて、『あー』と、問題意識ないんだなと......」
浜田「任命責任もあるんじゃないかと思いますよ」
羽鳥が、閣僚・政務官の失言を並べて見せた。
務台俊介・元内閣府政務官「長靴業界は儲かった」(3月8日)、稲田朋美・防衛相「(森友学園の)裁判を行なったこともない」(3月13日)、今村雅弘・復興相「どうするかは本人の責任、判断」(4月4日)、山本幸三・地方創生相「(外国人観光客へのPR不足で)一番のがんは文化学芸員。一掃しないとダメ」(4月15日)。どこか緩んでるとしか思えない。
玉川「総理も謝ってる。だったら、辞表はなくて罷免すべき」
羽鳥「想いがあれば、出てこない発言です」