ネットの世界は今や何でもあり。通販からオークション、フリマアプリと、多種多様な形で需要と供給が満たされているのだが、ここに「現金」が登場して、ちょっとした騒ぎになった。それも10万円を13万円とか、額面より高く売りに出して、買う人がいるのだと。いったい誰が?
フリマとはフリーマーケット、いらなくなったものを広場などで売る。これがネットでもできるようになったのがフリマアプリ。売りたいものの写真を載せて、スマホでも簡単に売り買いができる。現金が売られていたのは、アプリのひとつメルカリ。
5万円の写真、1万円札が5枚並んでいる。これに「5万9500円」の値段。3万円が「3万5800円」!?
現行紙幣は見つけ次第削除
「最安・迅速・丁寧」なんて書いてある。衣類や小物の写真が並ぶ、アプリのリストの中に紛れていたのは現金だった。10万円が「13万円」で、「SOLD」のマーク。現実に売れていた。
メルカリの広報は、「想定外の事態。目的はわかりかねるところがあるんですが」と、昨日(24日)、利用規約に反するとして、現在流通している現金の出品を禁止した。いわゆる古銭、古紙幣などコレクションに類するものは別として、現行紙幣の出品は見つけ次第削除しているという。
司会の羽鳥慎一「10万円を13万円で?」
野上慎平アナ「誰が考えても割が合わないですよね」
メルカリは、オークションとは違って、売りたい値段を出して、買う人を求める方式。様々な生活用品に溢れている中で、現金が現れた。
羽鳥「買う人がいる?」
野上「いっぱいいたんです」
羽鳥「3万円、損して?」
メルカリで応札すると、支払いはクレジットカードなどで行われ、入金が確認されると、モノが送られてくる。現金でも同じことで、13万円がクレジットで払われると、現ナマ10万円が郵送される。メルカリは売り手から10%の手数料を取るので、売り手にはプラス1万7000円になるという仕組みだ。
クレジットカードの現金化
弁護士の菅野朋子は、「買うのは、いますぐ現金が欲しい人」という。消費者金融などで借りられない多重債務者が、クレジット決済との時間差に、いわば高額の利息を払う形だという。
「クレジットカードのキャッシング枠を使い切っていて、残るショッピング枠を使ったもの。クレジットカードの現金化。だいぶ前から言われていたのが、あからさまに現金買取になった」
野上「現金がダメになったら、今度はSuica。10万円分が12万円とか」
羽鳥「電子マネーならいい?」
菅野「グレーゾーン」
青木理(ジャーナリスト)「昔から高利貸しがいろいろやっていたのが、手軽なフリマサイトで出てきた」
野上「専門家は、ネットの効用を、全国の多重債務者と出会う確率が高いからだという」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「金融のプロしかやらないことを、一般人もできるようになった。ネットの影の部分でしょうね」