EU離脱か残留かが争点になっているフランスの第1回大統領選挙が行われ開票速報(日本時間24日未明の段階)の結果、新EU派のエマニュエル・マクロン元経済相(39)と反EU派のマリーヌ・ルペン極右政党「国民戦線」党首(48)の決戦投票となった。5月7日に行われる。
開票速報では、1位マクロンが23.50%、2位ルペン22.07%、3位が親EU派のフランソワ・フィヨン元首相(63)19.74%、4位が反EU派のジャンリュック・メランション欧州議会議員(65)となっている。
決選投票で単純にマクロン元経済相に新EU派のフィヨン元首相の票が流れるとすると43.24%、ルペン党首に同じ反EU派のメランション欧州議会議員の票が結び付くと41.54%とその差はわずか。
ルペン党首は「フランスはフランスのモノ。私たちの手にフランスを取り戻そう」と訴え、EU離脱や移民受け入れ制限を主張しフランス第一主義を掲げ「フランスのトランプ」と言われてきた。トランプ米大統領も「彼女は国境管理について最も強い人物。勝利を後押しするだろう」と発言している。
一方、マクロン元経済相は、EU残留や移民を積極的に受け入れると主張し、ルペン党首とは真っ向から対立してきた。
数合わせ通りに行くか?
読売新聞特別編集委員の橋本五郎がこんな予想を。「決選投票はフィヨン氏がマクロン支持を表明しているので、数を合わせればマクロンの勝ちとなるんですけど1対1となったときにはまた別の選択が出てくる。『隠れトランプ』と同じように『隠れルペン』もいるかもしれない。そう考えるとこの影響は大きい。EUは完全に解体することになる。TPP の比ではない。アメリカファーストとフランスファーストが連動することも十分考えられる」。
5月7日の一騎打ちにフランス国民がどちらを選ぶか難しい判断を迫られる。