北朝鮮とアメリカの緊張が高まる中、「モーニングショー」は脱北した元外交官の証言を聞くことができた。金正恩氏の意図、日本をどう見ているか、などを語った。彼が韓国へ亡命したのは2年前だ。どこまで「読み」が通用するかだが、外交の現場にいた感覚は捨てがたい。
昨日(2017年4月18日)ソウルでインタビューに応じたのは、北朝鮮の元外交官韓進明(ハン・ジンミョン)氏(42)。ベトナム勤務だった2015年1月、韓国に亡命した。以来、ソウルに住んで、北の情報分析などに協力している。
北朝鮮のミサイルは、先月4発の一斉発射の成功の後、3回立て続けに失敗している。しかし外に向けては、「今後もミサイル訓練を重ねる。毎週、毎月、毎年だ。先制攻撃には、我々流の核先制攻撃で対応する」(17日、韓成烈外務次官)などと、相変わらず強硬だ。
ミサイル実験で関心ひく
韓氏はその真意をこういう。「金正恩委員長は国際社会を挑発しながら、ミサイル実験などをニュースにして、関心を北朝鮮に向けさせようとしている」
金正恩体制については、「外交官に対する取り締まりが強化された。即受付、即実行、即報告です。結果が出たら、すぐ委員長に報告しなければならない。最大限、早く終わらせろと命じている」「ちょっとしたミスが命取りになる。先代(金正日)とは緊張感が違う」
韓氏が亡命した理由は、本国に送還されそうになったからだ。北の外交官は、生活資金捻出のため、外交特権の免税で買った車を横流しして、利益を分け合っているというが、彼は分配をしなかったらしい。
しかし、北の意図については、「北が願っていることは、アメリカとの2カ国対話。最終的には大使レベルでの外交関係を願っている。国民のために文化、経済のレベルを上げようとしていると思う」
先制攻撃は? 「ありません。北は戦争を願ってはいない。トランプ氏との交渉の接点を模索している。政策決定機関の心理をよく知っている。北の国民性からいうと、絶対に発砲することはありません」