北朝鮮のミサイルをめぐる「チキンゲーム」は大詰めを迎えたようだ。昨日17日(2017年4月)南北の軍事境界線を訪れた米のペンス副大統領は、「戦略的忍耐の時代は終わった」と、前日ミサイルの発射に失敗した北朝鮮に警告を発した。しかし北朝鮮は、「日本も標的だ」と言い出した。司会の羽鳥慎一の「ボード」は、「身を守れるか」を考えたのだが......。
ペンス副大統領は会見で、「北朝鮮は、大統領の決意や、この地域における米軍の強さを試すようなことはしないほうがいい」と北朝鮮を強くけん制した。空母カール・ビンソン率いる打撃群は25日には日本海に入るといわれる。
25日は、朝鮮人民軍創建85周年の日だ。労働新聞などは、勇ましい論陣を張っているが、実のところ北朝鮮がどう出るか、誰も読めない。
日朝交渉担当の宋日昊大使は、外国記者団との会見で「日本軍国主義も主たる敵だということを隠さない。戦争になったら、一番の被害をこうむるのは日本だ」「カール・ビンソンを歓迎するといった」という。
一番動揺しやすいところを突いてきたわけだ。「モーニングショー」が、「身を守ることはできるのか」とやったら、大成功ということだ。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、「米側も言葉は強いが、攻撃するとは言ってない」という。
先月、北朝鮮が4発同時発射したミサイルのうち3発は、日本の排他的経済水域に着弾したが、到達距離で言えば、米軍岩国基地など西日本は十分に含まれる。
「身を守る」完全な手段はない
ここで羽鳥は、北朝鮮のミサイルが打ち上げられた時の、アラートの仕組みから、イージス艦とPAC3による迎撃システムを長々と解説した。しかし、そのプロセスは誠に頼りない。
ミサイルは打ち上げから7、8分で日本に達する。イージス艦からの迎撃ミサイルは大気圏外で撃ち落とすが、これをミスしたらPAC3が狙う。ただ、PAC3は20キロ圏内の「点の防衛」でしかない。命中率も20%~30%と低い。外したものは落ちてくるし、たとえ当たっても、核でも化学兵器でも破片は落ちてくる。
つまり、一旦発射されたら、「身を守る」完全な手段はないということが明らかになった。
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「PAC3が守るのは基地。一般に住んでいるところをPAC3が守ってくれると思うのは間違い」
スタジオで初めて、アラートの警報音を鳴らして見せた。なんとも不快な音だ。かつてのサイレンも不気味なものだったが、全く異質。玉川が「生理的に不快な音ですね」と言った。
地域によっては、その後「ミサイルが発射されました」などのアナウンスや速報メールがあるのだという。もしそうなったら?
答えは、「建物の中に避難してください」とだけだった。
玉川「少なくとも、知っておくべき」
その前に、ミサイルを撃たせないようにするしかない。