「全治1か月」は本当か?稀勢の里のケガ・・・上腕だけでなく左大胸筋も損傷
週刊文春に「認知症になりやすい住宅」という記事がある。何でもオンタリオ州公衆衛生研究所などが、01年から州に5年以上住んでいる計660万人を対象に12年までフォローしたら、24万3611人が認知症を発症したそうだ。
その人たちを郵便番号を使って幹線道路や高速道路にどれだけ近いところに住んでいるかを分類し、認知症発生率を比較したところ、幹線道路から300メートル以上離れたところに住んでいる人に比べて、50メートル未満に住んでいる人は認知症発症リスクが7%も増加していることがわかったという。
これは権威ある世界医学雑誌のひとつ「ランセット」に掲載されたそうだ。なぜ幹線道路近くに住むと認知症になりやすいのか。要因の一つは大気汚染。二酸化炭素などの窒素酸化物やPM2・5などの微粒子状物質、タイヤの摩耗から発生する空気中の有害物質を吸い込むことによって、酸化ストレスや神経炎症を引き起こし、血液脳関係の損傷を招くことから、認知症になりやすいそうである。
2つ目は騒音による寝不足。3つ目は幹線道路沿いでは気分良く体を動かす公園などの施設も少ないため、身体活動の低下になりやすいからだという。幹線道路沿いにお住いの方、引っ越したほうがいいのかも。
ところで、最近の週刊ポストの誌面を見ていて少し心配になる。何かが変のだ。巻頭特集が稀勢の里はまだわかるが、右トップが「大間違いの歯ブラシや歯磨き粉の使い方」というのは解せない。歯の問題は確かに高齢者にとっては大きな問題だが(もちろん若者にも)、もっとやらなくてはいけない問題がこの国には山積していると思う。
WBCで「惨敗」した侍ジャパンの監督、小久保裕紀についての記事もやや首を傾げたくなる。スポーツ紙や一部週刊誌は健闘したと書いているところがあったが、とんでもない。あの程度のアメリカを倒せなかったのは、小久保の采配もあるが、選手が相手を甘く見ていたとしか思えない。
それはともかく、思わせぶり週刊なポストのタイトル「小久保と美女の博多の夜」だが、小久保は95年に結婚したが08年には離婚し、今は独身だ。今の女性と付き合ってもう何年にもなり、知人には「新しい奥さんです」と紹介し、一緒に住んでいるらしい。何のことはない、お目出度話である。仲良く食事をしているのを、何か「いけない」ことをしているようなタイトル付けはいかがなものだろう。
稀勢の里の「箝口令が敷かれた本当の容態」というのも羊頭狗肉のタイトルではないのか。もっとも、相撲好きには春場所でいかにガチンコ相撲が行われたのかを分析しているところは面白いかもしれない。クライマックスは稀勢の里が13日目、日馬富士に敗れ、おまけに左腕から胸にかけて強打し、救急車で搬送されてしまったことだろう。稀勢の里休場かと思われたが、次の日にも出場し、千秋楽には本割、優勝決定戦と連破し、涙の優勝となった。
ケガの程度は、週刊ポストによれば「深刻な状態ではなく、直径20センチ以上の内出血があったものの、千秋楽の朝にはテーピングもせずに稽古に出てきた」という程度だ。大ケガをおして出場して優勝すれば、いやがうえにも場所は盛り上がる。そのための演出かと邪推したくなるが、週刊ポストのいうような「軽傷」でもなかったようだ。
サンケイスポーツ(4月4日付)ではこう報じている。「大相撲春場所で左上腕部を負傷しながら劇的な逆転優勝を遂げた大相撲の横綱稀勢の里(30)が3日、新たに左大胸筋を損傷していることが判明した。
日本相撲協会が同日に3月27日付の診断書を公表。『左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1カ月の療養は必要』とされ、『現在精査中』とも記されている。稀勢の里は2日から始まった春巡業を休場。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は当初、左上腕部の筋損傷とだけ説明していた」
相撲にケガは付きものとはいえ、稀勢の里の頑張りはモンゴル勢力士たちに対する「日本人力士の意地」だったのかもしれない。