森友学園問題で渦中の人となった、安倍首相夫人、昭恵さんの姿が、事件以来初めて公の場で見られた。昨日(2017年4月6日)開かれたスペイン国王フェリペ6世を迎えての宮中晩餐会に、ファーストレディーとして出席した。これは明らかに「公務」だろうが、昭恵夫人をめぐってはこのところ、「公人」「私人」の区別がやかましい。
夫人もまた、妙なところで顔を出す。「モーニングショー」で取り上げたのは、メールだった。
夫人付きで経産省から出向している女性職員が、森友学園の籠池理事長(当時)の手紙に答えて財務省と連絡を取り、ファクスで回答していた問題。国会では菅官房長官らが、「すべて職員が個人の資格でやったこと」と、安倍夫人の関与を否定していた。
昭恵夫人、元経産省職員フェイスブックに書き込み
これに、元経産相職員がネットで「怒り」をぶちまけたところ、昭恵夫人から直に書き込みがあったのだった。「職員に責任を押し付けるつもりは無い。申し訳ないと思っている」と。見も知らない人の書き込みに反応したのは、私的な判断だったのか。
当の元職員は、「私に回答するのではなく、公の場で発言するのが筋だろうに」という。確かにその通り。だが、メールをしてくること自体、官邸の判断ではなさそうだ。秘書的な役割の政府職員の本当のところはどうなのか、が気になる。事件以来、当の職員は姿を隠しているという。
夫人の選挙応援にも政府職員が同行
司会の羽鳥慎一が「ニュースもう1本」で、今日(2017年4月6日)の東京新聞の記事を取り上げた。昭恵夫人が昨年の参院選で、自民党候補者の応援演説で地方を訪れた際、首相夫人付きの政府職員が同行していたという内容。実は昨日の衆院文部科学委員会で、土生榮二・内閣審議官が認めた。
同審議官は、「連絡調整の必要から同行した。(国家公務員の)政治的行為の制限には十分留意した」と述べ、さらに「チケットは夫人側から受け取った。最終的な負担者は確認していない」と。
説明によると、昨年6月に岡山、7月に沖縄で、他に東京での選挙応援に職員が同行していた。質問者の宮崎岳志氏(民進)は、「(夫人つき職員が)やっていることは、ほとんど私的活動の随行だ」と批判した。
羽鳥「公務員の政治的行為は禁じられている。また、公人、私人、そうじゃないっていう話になる」
青木理(ジャーナリスト)「まして選挙は最高度に政治的活動ですからね。閣僚の場合は、官僚から秘書官がつくが、別に政治任用する政務秘書官がいる。選挙などの時は、その政務秘書官を同行させる。公務員の事務秘書官は行かせない」
羽鳥「厳格にしてる」
青木「しないと問題になっちゃう。昭恵さんの場合は、初めてなんですけど、経産省から秘書のような形で職員がついた。そこで公人なのか私人なのかとなる。公私混同とも見える。結局首相を守るために、つじつまの合わない屁理屈が並べられている」
羽鳥「チケットも夫人側から来たが、誰が負担したのかは曖昧。総理夫人という立場を明確にしないといけない」