北朝鮮が発射した1発の新型弾道ミサイルをめぐり米国と北朝鮮の間が一段と緊迫してきた。
6日(日本時間2017年4月7日)に行われる初の米中首脳会談の行方が注目されるが、番組にゲスト出演した北朝鮮情勢に詳しい小此木政夫・慶応大名誉教授は「今月が最も危険。何が起きるかわからない」と警告する。
北朝鮮が発射した新型弾道ミサイルは、潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)を改良した中距離弾道ミサイル「北極星2」とみられている。
見つけにくい新型弾道ミサイルを開発
その特徴は2点。金田秀昭・元海上自衛隊護衛艦隊司令官によると、まず「従来の液体燃料ではなく固体燃料を使っていることで比較的簡単な操作で発射準備を整え、すぐ撃つことができる。したがって発射の兆候がつかみにくい」という。
さらに「コールとローンチ方式という圧縮空気で空中に発射後、点火する技術を使ったとみられ、これだと赤外線量の放射が少ない。赤外線で探知するアメリカの衛星は監視しづらくなる」という。
金田元司令官は「これが潜水艦発射弾道ミサイルとして開発が順調にいき、搭載できる潜水艦開発が間に合えばICBM(大陸間弾道ミサイル)の保有に匹敵するくらいの大きなインパクトがある」という。
トランプ大統領「全ての選択肢ある」
番組では、6日早朝行われた安倍首相とトランプ大統領の電話会談について、安倍首相が午前8時すぎに記者会見した内容を速報で伝えた。
その中で安倍首相は「明日から行われる米中首脳会談で北朝鮮問題について中国がどのような対応をしていくか注目していると申し上げた。これに対しトランプ大統領からは『全ての選択肢がテーブルの上にある』と力強い発言があった」と語った。
米中首脳会談はまとまらない?
しかし、小此木名誉教授は「トランプ大統領は中国に『北朝鮮への圧力を強めてほしい』と言うのに対し、習近平国家主席は『北朝鮮とアメリカで直接交渉してほしい』と言うかもしれない。おそらくまとまらないだろう。これから月末まで危険な状態が続き、5月になればちょっと風向きが変わると思う」と見る。
4月要注意というのは、11日が金正恩・労働党委員長の就任5年、15日金日成生誕105年・北朝鮮軍創設85周年と目白押しで、「何をやるかわからない。ただ、米韓軍事演習が4月30日に終了し、5月になれば韓国の新政権(現在は野党)が誕生、北朝鮮との対話が動き出すかもしれない。そうすると北朝鮮を叩こうと思っても叩けなくなる。だから4月は怖い」という。
最後にコメンテーターの松嶋尚美(タレント)が状況が分かっていないのか、こんな質問を。「(トランプ大統領が)直接交渉した時にキム・ジョンウン(金正恩)にあなたはトップから外れなさいという交渉は難しい?」。小此木名誉教授は一瞬答えに詰まり「そういう交渉じゃないんです」。