大相撲「モンゴルへ帰れ!」の差別的ヤジ、国会でも問題に 立ち合い変化には賛否両論

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   先の春場所で稀勢の里と優勝を争った大関照ノ富士に、「モンゴルへ帰れ!」という差別的なヤジが飛んだ。14日目の琴奨菊戦で、横に飛んで勝ったのが「汚い」というものだったが、長年大相撲を支えてきたモンゴル勢にもこれはショックだったろう。3日(2017年4月)の国会でも取り上げられた。

   問題の取り組みは、14日目の先月25日。モンゴル出身の大関照ノ富士は12勝1敗で、前日土がついた横綱稀勢の里と並んで優勝争いのトップにいた。対する関脇琴奨菊は8勝5敗で、大関復帰ラインの10勝を目指して、いわば土壇場。観客の声援も琴奨菊に多かった。

会場はヤジの大合唱で異様な興奮状態

   しかし、勝負はあっけなかった。照ノ富士が立ち合いで右に変わって、はたき込みで琴奨菊は土俵にはった。この瞬間だった。「汚いぞ」「モンゴルへ帰れ!」の大合唱となった。会場は異様な興奮状態になった。

   この場にいた相撲解説者の杉山邦博氏も、照ノ富士の変わり身には、「がっかりした」という。「それはないよ、と思った。会場のみんなの気持ちだったと思う」。だが観客の反応、「汚い」に続いて「モンゴルへ帰れ」には驚いた。それも1人2人ではなかった。「失礼ですよ。今の大相撲があるのは、モンゴルの人たちのおかげですからね」

   土俵際で観戦していた、料理人の神田川俊郎氏も、「すごいヤジで、びっくりしました。今まであれだけのヤジはなかったですね。数も多すぎて......」という。スポーツ紙も、相撲協会の八角信芳理事長の「まっすぐ行って欲しかった。勝ちたい気持ちはわかるけど大関だからね」というコメントを伝えた。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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